「21世紀型産学連携手法の構築に係るモデル事業」

1.趣旨
 科学技術創造立国を目指す我が国にとって,産業構造のみならず産学連携の在り方についても,従来のキャッチアップ型ではない,新しい産学連携の形態の必要性が強く求められています.
 このため,我が国の文化風土に対応した新しい産学連携手法の開発を,産学の英知を集結して行うこととします.これにより,(1)実証研究を通じた学術研究の進展,(2)新技術の発展や従来の生産技術のブレークスルー,(3)新しい手法の全国的活用等を通じた21世紀における我が国経済社会の持続的発展などが期待されます.
2.事業の概要
 公募等によりテーマを決定し,文部省と関係大学等が共同して実証研究を行い,その成果については報告書等により,産業界をはじめ社会全体にフィードバックすることとしています.
3.研究テーマの具体例
 (1)研究成果の円滑な移転システムの研究
 (2)産学連携フェステイバルのモデル開催
 (3)産学連携交流会のモデル開催
 (4)起業家支援システムのモデル開発
 (5)21世紀を展望した新たな産学連携手法の構築

「産学連携及びセンター連携のためのネットワーク利用に関する研究」

計画の概要
 文部省および各共同研究センターの努力によって、共同研究センターの大学における位置づけと産学連携の重要性が明確になる(平成11年6月学術審議会答申)と同時に、果たすべき役割、処理すべき業務も数年前とは比較にならないほど多岐にわたっている。センター各個にその独自性を強調しながら地域に根ざした活動を展開しているが、一方では一つのセンターでは対応できない相談や問題点もあることが明確に認識されるようになってきた。
 そこで、我々(別紙共同実施機関の専任助教授)はこれらの問題を解決すべく、共同研究の効率的な推進に効果的なコンピューターネットワークの活用について自主的に議論してきた。これまでも各センターで積極的にコンピューターネットワークを利活用することに取り組んできたが、全センターが連携してあらゆる社会的ニーズに対応する態勢を早急に整備すべきだとの合意に達した。
 そのために有効な手段と考えられる具体的な方策について示す。
1.文部省学術国際局研究助成課研究協力室、全国のセンター長、専任教官、各大学事務担当官を含めた広い連絡網としてのメーリングリストの構築
2.Web上で公開するセンター情報集の整備
3.共同研究のための教官データベース全国版の構築
 メーリングリスト(以下ML)は電子メールを介して登録メンバー間の迅速な情報交換に優れた効果をもたらすシステムであり、単独のセンターで対応不可能な技術相談への対応、センター間の連絡事項、判断の難しい新しい事例への迅速な対応に有効なツールとなる。
 センター情報集は共同研究相手先をどのセンターに依頼するかを考える上で有効な情報となる。設置された全共同研究センターの特徴と連絡手法をWeb上で公開し、日本全国からの閲覧を可能にする。
 共同研究相手先を見つけるにあたって、企業側から見た場合、全国区で最も適した研究者を探したいという強い要望がある。これを可能にするのが「共同研究のための教官データベース全国版」である。
 本研究ではこれらの方策のうち、まず1と2について取り組み、試験的運用を通して共同研究推進に果たす役割を明らかにする。
 3については1年の研究期間の中で行うことは不可能である。したがって本年は将来的なデータベース構築を視野に入れて、すでに開設されている各地域あるいは各大学における教官・研究者データベースの内容を調査し、どのようなデータベースが有効であるかを探る。