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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第753号 <2016.11.17>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
バックナンバー:http://j-sip.org/mail_news.htm


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各セッションの座長により、それぞれの講演の要点やセッションのまとめを
作成していただきました。会員の皆様に「座長報告」としてお届け致します。

産学連携学会第14回大会
一般講演、オーガナイズドセッション、座長報告(14)
−リエゾン1                    座長 内島典子
−リスクマネジメント               座長 飯田香緒里
−連携分析1                    座長 野澤一博
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リエゾン1                     座長 内島典子
6月17日(金)第2日目E会場(14:00〜15:00)

 本セッションでは、産学官連携の推進に向けた組織体制および大学機関の
コーディネート体制・人材育成に関して4件の報告がなされた。吉用(高知
大学)らは、高知県の地方合同庁舎等7箇所に大学のサテライトを設置し、
そこでのコーディネータの配置が県庁と大学との連携強化に繋がると同時に
大学内での地域志向の向上効果が見られることを報告した。その一方で、コ
ーディネータとしての人材が少ない事に対する課題も示された。伊藤(群馬
大学)は、産学官連携や異分野間などで進められるプロジェクトの発掘から
実行までのプロセスにおいて必要と考えられるコーディネータの能力・力量
を評価する手法について報告した。石塚(高知大学)らは、「機能性表示食
品」制度における食品の臨床試験を低コストで実施でき、検証が短期間で実
現できる産学官連携による臨床試験モデルについて高知県での事例を報告し
た。川名(東京海洋大学)らは、異分野間の連携による課題解決やプロジェ
クト実施において効率的な研究の推進を実現するための、連携に伴う諸手続
や管理などの研究支援を担う組織体制の構築について、一般社団法人ブルー
カーボン研究連携機構設立の事例を報告した。
 現在、地方創生に向け地方・地域における産学官連携の重要性があらため
て注目されており、地域にある大学は地域貢献に向けた産学官連携をより推
進するため地域特性に合う取り組みを進めている。そして、その活動におけ
るコーディネート人材の育成や組織体制適正化への取り組みが特に重要とな
ってきている。本セッションでは、その参考となる事例が紹介・議論・共有
化される貴重な場になった。

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リスクマネジメント                 座長 飯田香緒里
6月17日(金)第2日目F会場(13:00〜14:00)

 本セッションでは、4件の発表があった。新谷由紀子ら(筑波大学)は、
「大学における利益相反マネジメントの運用基準に関する調査研究」として、
大学教員や大学関係者に対し実施した意識調査の結果を報告した。小笠原敦
ら(滋賀医科大学)は、「産学官連携リスクマネジメントモデル事業(利益
相反マネジメント)の実施報告」として、事業においてモデルとして構築し
た、人を対象する医学研究について倫理審査と利益相反マネジメントの一元
的な審査を可能とするシステムを紹介した。梅田綾子他(東京海洋大学)は、
「判例から考える産学連携に伴う大学及び研究者の責任」として、産学連携
活動に関連して大学に責任が問われた判例を検証した。田沼伸久(明星大学)
は、「教育研究機器の該非判定作業による安全保障輸出管理のリスクマネジ
メント」として、安全保障輸出管理について所属大学での対応状況について、
発表した。我が国の産学連携活動の本格化に向けて大学等アカデミアには、
利益相反マネジメント・技術流出防止・法令遵守等の産学連携リスクマネジ
メント機能の強化が求められる一方で、その実現には、今後一層の研究や情
報共有が必要となりそうだ。

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連携分析1                      座長 野澤一博
6月17日(金)第2日目F会場(14:15〜15:15)

 本セッションは、「地方大学における産学共同研究の実状解明の実証的研
究」と題する4本の共同研究の報告があった。これらは昨年度の北見大会で
報告されたものの継続された研究であり、前回は2009〜2013年度間の地方大
学が進めて来ている共同研究の実績データから相手先の属性・地理的分布な
どを解析していたが、本セッションでは2004〜2008年の状況を分析し、2009
〜2013年の状況と比較し、状況の変化について分析を行った。川崎(新潟大
学)、竹下(長崎大学)、秋丸(愛媛大学)が、それぞれが所属する大学に
おける共同研究の実状について分析結果を報告した。最後に北村(島根大学)
から島根大学の状況の報告と同時に、4大学の結果を総括し、大企業との共
同研究の地域別件数、中小企業との共同研究の地域別件数、および前半5年
間と後半5年間の変化率について分析していた。4大学に共通する特徴とし
て大企業との共同研究件数が増加していたが、中小企業との共同研究件数に
ついては地域差が見られた。地方大学という共通的な特徴がありながらも、
それぞれの大学の置かれている環境や活動により異なる特徴が現れていた。
一連のシリーズとなっている本研究は実績データに基づく詳細な分析であり、
産学連携の実態を解明するうえでも、今後の研究の更なる進展が期待される。

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                               以上