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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第751号 <2016.11.11>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
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各セッションの座長により、それぞれの講演の要点やセッションのまとめを
作成していただきました。会員の皆様に「座長報告」としてお届け致します。

産学連携学会第14回大会
一般講演、オーガナイズドセッション、座長報告(13)
−知的財産1                    座長 安田耕平
−知的財産2                    座長 木村友久
−産学連携政策                   座長 田口 幹
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知的財産1                     座長 安田耕平
6月17日(金)第2日目E会場(9:00〜10:00)

 本セッションでは、4人の発表者による4件の発表があった。まず、石橋
(会津大学)は、知財管理の観点から見た会津大学の産学連携の取り組みを
取り上げて、共同研究、受託研究と知財との関連を述べ、特許以外のソフト
ウエアライセンスについても発表した。三須(鳥取大学)らは、知財管理ソ
フトとして、予算管理を含めた、将来の計上予定機能を持った「特許予算管
理システム」のデータベースについて述べた。神谷(日鉄住金総研)は、特
許発明者分析から見た大学特許に関する一考察として、日本の主要大学と米
国の主要大学の研究者の特許出願状況を調査し、考察した結果を発表した。
倉増(香川大学)は、研究シーズを実用化に結び付ける総合支援活動の事例
として、特許登録した「赤外分光イメージング技術」について、権利強化を
図りながら技術動向や有望分野を調査した内容を発表した。
 これらの発表に用いられた分析結果、関連データ、考察結果等、について
活発な意見交換が行われた。

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−知的財産2                     座長 木村友久
6月17日(金)第2日目E会場(10:00〜11:00)

 萱野英子(農業・食品産業技術総合研究機構)らは、農業・食品産業技術
総合研究機構(以下、「農研機構」)育種研究の概要説明と品種の育成者権
を活用した具体事例を紹介した。農研機構では599品種の育成者権(国内)
を保有、73品種が出願中である(平成28年3月31日現在)。また、こ
れらの育成権を活用した農業の6次産業化の事例として、北海道雄武町で耕
作放棄地を利用して品種名称「満天きらり(登録番号23414ダッタンソバ種)」
の栽培と当該品種を使った地域特産品を報告している。会場からは、品種登
録名と商標との使い分け戦略に関する質問があった。
 荘田宗一郎(静岡大学)らは、静岡大学の電子書籍を利用した大学内著作
物商用出版支援を紹介した。電子書籍市場の推移説明、および大学内の紙に
よる商用正式出版の問題点指摘後に、静岡大学で構築したePUB形式に変換し
て自由掲載できる電子書籍サイトの説明を行った。同サイトはWord形式原稿
を自動的にePUB形式でサイトに掲載し、学生はコンテンツをダウンロード閲
覧可能で、著者は出版センターを介して電子書籍の商用正式出版を1万円以
内の低価格で実現できるようになっていると報告した。
 野田佳邦(大分県立芸術文化短期大学)は、デザインパテントコンテスト
への応募プロセスがもたらした大学内の知財意識の変化を紹介した。同短大
では平成27年4月に美術科デザイン専攻の学生にデザインパテントコンテ
ストの応募を呼びかけて、J-PlatPatを利用した受賞作品の検索や作品の創
作レベル等の指導を行った。2名の学生が応募し1名が入選するとともに、
学内の取り組みについて大学が「文部科学省科学技術・学術政策局長賞」を
受賞した。結果として、職員や学生を含む大学全体の知財意識向上が実現し
たことの報告があった。
 山岸大輔(鳥取大学)らは、同大学が進めている商品開発を通じた地域志
向性知的財産マネジメントを紹介した。プロジェクトの対象地域である鳥取
県鹿野町の人口、特徴ある産業そして住民意識等々を整理した地域志向型の
知的財産マネジメント手法を検討している。具体的には、既存ブランド食材
を利用した商品開発と、新たな地域ブランドの確立を目的とした食材以外の
地域資源から採取した天然酵母等の利用とそれらの知的財産権の調査等、そ
して今後の展開を踏まえた権利保護のあり方について報告があった。

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産学連携政策                     座長 田口 幹
6月17日(金)第2日目E会場(11:00〜12:00)

 本セッションでは、4件の発表があった。仁賀(経済産業省)は慶應義塾
大学医学部への出向経験から医学部研究者への調査から企業等との連携交流
が医薬品・医療機器関連の企業とは研究面での交流が主で、それ以外の企業
とは臨床の対象としての交流であることを示し、企業が医学部に相談や情報
交換をする窓口や事務局の拡張が必要であるとした。
 2件目は、桐田(岡山大学)がAMEDによる「国産医療機器創出促進基盤整
備等事業」の採択機関として2年目にあたりその現状と将来展望について報
告した。地方自治体・他の大学や財団との協力で人材育成と国産医療機器の
開発のめどが立ってきたとしている。
 3件目は、荒磯(北海道大)が1995年の科学技術基本法から2016年の第5
期科学技術基本計画までの国の政策を振り返りつつ、初期のシリコンバレー
型起業推進は我が国ではアントレプレナーシップの未成熟でうまく発展しな
かったが、近年は北欧型の官の出資による事業化推進政策は期待できる、ま
たイノベーションネットワーク構築では我が国では政府系研究所の役割も大
きいので、それらを含む大学等の研究からビジネスまでをコーディネートす
る機関の確立が必要であるとした。
 4件目は、中島(静岡大社会人大学院生)が浜松において技術の伝承を目
的とした「ものづくり教室」について、プロジェクトの観点からの調査結果
から「地域のものづくり文化」の視点からはいずれのプロジェクトも十分で
はなく、ハイレベルな技術継承を目指すモデルとして、補助金依存体制から
自立することを前提に地域に根ざして、企業OBやリタイヤ世代も巻き込んだ
3世代以上の交流を通して地域が育てる自治会単位程度のモデル(地域活性
連動型)が必要であるとした。

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                               以上