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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第747号 <2016.11.1>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
バックナンバー:http://j-sip.org/mail_news.htm


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各セッションの座長により、それぞれの講演の要点やセッションのまとめを
作成していただきました。会員の皆様に「座長報告」としてお届け致します。

産学連携学会第14回大会
一般講演、オーガナイズドセッション、座長報告(11)
−開物成務塾1                   座長 山口佳和
−【オーガナイズドセッション】
 産学連携学会 オープンイノベーション研究会    座長 尾関雄治
−人材育成3                    座長 北村寿宏

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開物成務塾1                    座長 山口佳和
6月17日(金)第2日目D会場(9:00〜9:45)

 当セッションでは、3件の発表があった。ニッコー・ネットの古川は、福
岡県中小企業家同友会と九州大学による開物成務塾が小規模企業と大学の産
学連携を目指した勉強会であることを述べた上で、8年間の成果として建築
物のカビ防除システム、自然薯とろろ、3分で着られるカンタン着物の3つ
の例を紹介し、小規模企業はちょっとしたきっかけで大きな成果を出せる可
能性を持っていて、企業数が多いため経済に大きなインパクトを与えうるこ
とを指摘した。ユニティの谷は、開物成務塾が草の根イノベーションのた
めに新商品開発・マーケティング実践を中心とする産学官金連携中小企業経
営革新講座を毎月1回開催していることを紹介し、それが九州大学湯本教授
の提案に基づきスタートし、福岡大学阿比留教授のゼミ「ベンチャー企業論」
の学生との交流が始まったこと、これまでに140を超える新商品開発・マ
ーケティング実践の発表があったことを報告した。ふるさと創生の会の綾戸
は、ふるさと創生の会が昨年11月に設立され、地消・地産による地域にお
ける新しい事業の創造、仕事づくりを目指して活動していることを紹介し、
ふるさと、田舎、過疎地、里山、島地域は急激に衰退しているものの資源の
宝庫であり、それらの資源を活かしてエネルギー・食糧・水などの100%
国内自給に取り組んで行くことにより、ふるさと創生が可能であることを指
摘した。いずれも開物成務塾による興味深い取り組みを報告するもので、発
表に続いて会場の参加者との間で活発な討議が行われた。これらの取り組み
と開物成務塾の益々の発展と、次の大会ではさらに進んだ成果の発表がなさ
れることを期待する。

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−【オーガナイズドセッション】
産学連携学会 オープンイノベーション研究会      座長 尾関雄治
6月17日(金)第2日目D会場(10:00〜12:00)

 オープンイノベーション研究会が主催する本オーガナイズドセッションで
は、オープンイノベーションに関する情報交換を目的に5件の発表が、また
我が国のオープンイノベーションのあるべき姿を研究することを目的に1件
の発表があった。
 まず初めに、オープンイノベーションに取り組む企業の現状としてヤマハ
発動機の原氏から同社の取り組みを紹介いただいた。特に、オープンイノベ
ーションに取り組むことで増えることが予想される共同研究契約について、
実例を元に政府主導による雛形作りを提案いただいた。
 続いて、オープンイノベーションに関する政府の動きとして、経済産業省
の山田課長からオープンイノベーション協議会の活動状況および、産業構造
審議会の中での討議結果、およびオープンイノベーションに関連する税制等
について紹介いただいた。また、農林水産省の田中室長からは、農林水産・
食品産業のイノべーション創出に繋げる新たな産学連携研究の仕組み(「知」
の集積と活用の場)について紹介いただいた。
 オープンイノベーション支援システムに関して、Crewwの伊地知氏から、
大企業とスタートアップベンチャーの連携をサポートする取り組みを紹介い
ただいた。また、ナインシグマジャパンの松本氏からは、従来の技術スカウ
ティングだけでなく、大企業が今後どのような分野に取り組むべきかをアド
バイスすると共に、それに必要な技術を保有するベンチャーを紹介する事業
について紹介いただいた。
 最後に、オープンイノベーション研究事例として、経済産業省の能見氏よ
り、既存技術の深化と、新たな技術をオープンイノベーションで探査するこ
との両立について、特にオープンイノベーション推進担当者への役割期待に
ブレイクダウンした考え方を紹介いただいた。
 いずれの発表からも、オープンイノベーションは、単に外部との連携を推
進するだけでなく、効率よく成果を生み出すステージに移っていることが改
めて示された。

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人材育成3                      座長 北村寿宏
6月17日(金)第2日目D会場(13:00〜14:15)

 本セッションでは、様々な視点からの人材育成の取り組み事例について5
件の研究成果が発表された。
 佐藤らは、産業界が求める大学・大学院教育と現在行われている大学・大
学院教育とのギャップを明らかにするためにアンケートを行い、この結果に
ついて紹介し、大学研究者の分布と産業界の教育ニーズが高くない分野にも
研究者が多く存在しているところがあり、ギャップが存在していることを指
摘した。佐藤らは、学生の高等教育における文理や学科選択に及ぼす影響を
調査するためにアンケートを行い、その結果として、理系進学者では小中学
校のころに理系志向が固まっていること、電気機械実験やプログラミング・
ロボット実験などが選択に与える影響が大きいことを指摘した。木村らは、
産学官が連携してイノベーション創出人材などの育成を目的に浜松地域で実
施している子供の個性や得意を伸ばす教育としての「Top Gun教育システム」
について、「Mathやらまいか」、「ダヴィンチキッズ」、「ものづくり・ダ
ヴィンチ」など幼少期からの様々な教育の取り組みについて紹介した。崎山
らは、産学官公民連携型の教育プロジェクトである「イルミネーションコン
テスト」について紹介し、コンテスト形式にすること、巨大イルミネーショ
ンを制作しギネス記録に挑戦することなど様々な取り組みを実践し、教育効
果が上がるだけでなく、実施した常磐公園の入場者数の増加など地域活性化
にもつながっていることを紹介した。杉岡は、ゼミと京都中小企業家同友会
と協働し対話型キャリア教育を実践し、グループワークや経営者インタビュ
ーなどを行い、学生が中小企業やその経営者を知ることで、中小企業の存在
を意識し中小企業への就職につながっていることを紹介した。産学連携で、
様々な視点からの教育・人材育成が行われており、今後、相互の情報交換を
行うと共に、産学連携での人材育成が活発化していくことが期待される。

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                               以上