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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第742号 <2016.10.21>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
バックナンバー:http://j-sip.org/mail_news.htm


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各セッションの座長により、それぞれの講演の要点やセッションのまとめを
作成していただきました。会員の皆様に「座長報告」としてお届け致します。

産学連携学会第14回大会
一般講演、オーガナイズドセッション、座長報告(9)
−実務者育成                    座長 小野浩幸
−大学発ベンチャー                座長 網屋毅之
−組織間連携                    座長 木村友久

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実務者育成                     座長 小野浩幸
6月17日(金)第2日目B会場(13:00〜14:00)
 本セッションでは、産学連携に携わる実務者の育成に関する4件の発表が
行われた。OJT及びOff-JT双方の興味深い取り組み事例の紹介とともに、そ
の育成結果や育成法の有効性についても言及した興味深いセッションとなっ
た。
 中井らは、科学技術振興機構が行う「技術移転に係わる目利き人材育成
プログラム」について、研修参加者を対象としたフォローアップ調査の結果報
告と有効な施策についての考察を発表した。技術移転活動に関し、研究シー
ズから事業化まで全体俯瞰する研修の有効性が指摘された。伊藤は、文部科
学省「科学技術人材の育成コンソーシアム構築事業」を受けて行われている
「『多能工型』研究支援人材育成コンソーシアム」による育成人材の評価に
ついて発表した。研究支援者としての経験値が1年未満の者は潜在的プロジ
ェクトの可能性発掘能力に課題があることなどが明らかにされた。池畑らは、
大分県信用組合と日本文理大学の連携による金融機関職員等を対象とした人
材育成事例について報告した。金融機関の上層部と受講者層との研修ニーズ
の違いが受講者の減少を招くなどの課題が報告された。設楽らは、「科学技
術人材の育成コンソーシアム構築事業」を受けて行われている「水産海洋イ
ノベーションオフィサ(IOF)の育成プログラム」について報告した。OJTと
して取り組まれている連携プロジェクトを通して、被育成者のスキルアップ
が図られるとともに、市場ニーズマッチングの面でプロジェクト自体に貢献
があったことが報告された。

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大学発ベンチャー                   座長 網屋毅之
6月17日(金)第2日目B会場(14:15〜15:15)

 大学発ベンチャーのセッションでは、4件の発表があった。牧内により、
2015年から取り組んでいる北大発ベンチャーの促進策として学内案件発掘を
目的とした月例懇談会の開催やベンチャー認定制度の制定が行われ、月例懇
談会の開催や個別面談会の実施がベンチャーキャピタル等の実情について理
解を深めるのに有効であり、起業プランの保有者に総合的な情報を提供する
ことが重要であることが示された。
 伊吹らにより、NEDOが行っている研修やメンタリングのよるビジネスプラ
ン作成支援、発表及び投資家とのマッチング支援について、支援効果が現れ
た例が解析され、NEDOが行っている研修、メンタリングの実施は有意義でこ
とが確認された。
 経済産業省の宮本(伊藤が代理発表)により、大学発ベンチャーの課題と
現状がアンケート調査により解析され、大学発ベンチャーは3つの類型に分
類できることが示され、創業初期の体制整備に係わる施策では、ベンチャー
自身の主体性が必要であり、製品販売期の体制整備に係わる施策では、支援
機関の支援が有効であることが示唆された。
 青木らにより、静岡大学が開発したX線を電気信号に直接変換する検出素
子に、同大学の大学発ベンチャーが有している高度信号情報処理技術を融合
することによって達成された高感度・高精細X線メージャーの開発研究が報
告された。静岡大学とベンチャーとで原理から実装、ソフトウェアまで一貫
した連携で行われた事例である。
 このセッションでは、大学発ベンチャー支援策、現状と課題の解析、具体
的事例について、幅広く議論された。

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組織間連携                      座長 木村友久
6月17日(金)第2日目B会場(15:15〜16:15)

 岡本恭一(高知大学)らは、自治体職員の大学派遣を通じた人材育成と地
方創生の推進について紹介した。高知大学では派遣職員は地域連携推進セン
ターに配属され、学内教職員のプロジェクト等への参画や自治体連携のコー
ディネート活動をOJTで実施することで派遣元自治体と高知大学との連携な
いしは地方創生の推進を図っている。具体的には、須崎市で「須崎市まち・
ひと・しごと創生シンポジウム」を開催し人口の1%にあたる230名の
参加があり、ここでの提案をきっかけにレジャーフィッシングによる地域振
興プロジェクト等が立ち上がったことを報告した。
 野本孝一郎(スズキ株式会社)らは、スズキ株式会社と静岡大学間の産学
連携の取り組み事例を紹介した。同社は2005年から静岡大学と研究教育の両
面で包括連携協定を締結している。その中で、主な取り組みである、@ 共
同研究・技術相談、及び講演会の実施、A 大学シーズと技術ニーズのマッ
チング、B 教育・研究に関する研究者、技術者の相互交流、を取り上げて
いる。特に、Bについては、寄付講座、スズキ技術者の講師派遣、大学教員
によるスズキ株式会社での工学講座、工場見学・スズキ歴史館見学等、具体
的な取り組みを報告した。
 西川洋行(広島県立大学)らは、地域活性化の担い手作りを「あきたかコ
ンソ」に至る取り組み事例を用いて紹介した。はじめに、同コンソ以前の地
域独自の取り組みと、その時点における活性化の阻害要因を探る地域企業実
態調査を行ない、そこから導き出された阻害要因に対応する、@ 従業員及
び経営者の人材育成機能の拡充と仕組み創り、A 企業間での雇用調整機能
の実現と雇用ミスマッチの解消の施策提言をしたこと。同コンソでは、これ
らの提言を実現するための市内中小企業の教育研修や人材交流、具体例とし
ては企業間での人材ローテーションを行うもので、これらが成功した地域的
特性についても報告した。
 杉本等(静岡大学)らは、静岡県における民産学官で推進するオープンデ
ータを活用する活動を紹介し、当該活動から民産学官の役割について検討を
行った。2013年に静岡県が国内初のオープンデータカタログサイトを開設し
2016年4月時点で静岡県内34市町のうち24市町が当該サイトを利用して
いる。また、民産学官が連携した「しずおかオープンデータ推進協議会」や
高齢者福祉マップ制作の具体事例も提示して、学は学術的立ち位置からの関
与が必要であることなど民産学官それぞれの役割を報告した。

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                               以上