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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第740号 <2016.10.17>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
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各セッションの座長により、それぞれの講演の要点やセッションのまとめを
作成していただきました。会員の皆様に「座長報告」としてお届け致します。

産学連携学会第14回大会
一般講演、オーガナイズドセッション、座長報告(8)
−【オーガナイズドセッション】
 医工連携の課題とその解決策            座長 山本清二
−医工連携                     座長 山本一枝

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【オーガナイズドセッション】
医工連携の課題とその解決策             座長 山本清二
6月16日(木)第1日目F会場(10:00〜12:00)

 浜松医科大学は、はままつ次世代光・健康医療産業創出拠点を主催し、積
極的な医工連携から多くの製品を輩出してきた。その中で、未だアカデミア
発の成果を出すには課題が多いと実感している。本セッションでは、医療機
関(医療現場)、支援機関(開発支援現場)、知財活用というそれぞれの立
場から課題を出していただき、その解決策を皆で議論した。
 穴井博文氏(大分大学医学部)からは地域密着型産学官連携による医療機器
開発について、植木賢氏(鳥取大学医学部)からは大学病院開放による地方
からの医療イノベーションについて、石埜正穂氏(札幌医科大学医学部)か
らは研究者と中小企業との連携で進められるアカデミア発の医療機器開発と
その悩みについて、柏野聡彦氏(日本医工ものづくりコモンズ)からは初期
から医療機器の市場と法規制を熟知した医療機器メーカーと連携することを
重視した取組について、天野斉氏(AMED知財部)からは知財相談窓口や伴走
コンサル等を通した知的財産戦略の策定や実行等の支援について報告があっ
た。
 討論では多くの課題について議論がなされたが、中でも以下は共通した課
題として認識され議論した。課題@「医療現場から出されたニーズが真のニ
ーズか?その臨床的価値・有用性の判断をどうするか?」:目利き人材を獲
得するのは困難であり、システムで対応すなわち複数の頭で考える、まず製
販とマッチングして内容を揉む(チューニングする)という対応策が出され
た。また出されたニーズはアイデアの断片に過ぎないので原石として育てる
ことが必要という指摘もなされた。課題A「医師(アカデミア)のノウハウ
を含む知財をどのようにして守るか」:解決策まで出さず問題点までで企業
とのマッチングを行い、開発を進めるとの対応策が出された。ニーズのどこ
からが特許(知財)になるかの分析が重要との指摘があり、発明ではない知
財の契約も検討すべきとの提案がなされた。
 セッションでは実務的な観点から課題が出され、具体的な対応策に関する
議論ができ、医工連携をうまく進めるためのヒントが得られる貴重なセッシ
ョンとなった。


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医工連携                       座長 山本一枝
6月17日(金)第2日目B会場(10:30〜12:00)

 本セッションでは、医工連携について6発表が行われた。
 日本医療研究開発機構(AMED)の阪本は、「AMEDが推進する産学連携による
医療機器開発」と題し、事業間・支援機関との連携を構築・活用し、成果の
最大化・実用化促進に取り組んでいることを報告。全国産学研究者の積極的
参加を呼びかけた。
 佐賀大学の佐藤らは、「佐賀県における医工連携研究会の現状」と題し、
次世代産業戦略としての医工連携の取り組みや研究会活動等を報告した。医
工連携の多数の事例や、開発した成功事例等の具体的な報告があった。
 浜松医科大学の伊藤らは、「浜松医科大学と中小企業の産学連携事例につ
いて」と題し、新規事業参入に意欲的なモノづくり中小企業の集積地浜松で、
浜松医科大学は多くの成果を上げているが、トラブル対応へのコーディネー
ターの取り組み事例を報告した。
 長崎大学の大石は、「医工連携の課題と産学官連携コーディネーターの役
割」と題し、開発投資額、薬事法の関与、ビジネス展開等を踏まえてコーデ
ィネーターがドライビングをする必要があり、知財管理等でも重要な役割が
あることを報告した。
 浜松医科大学の鈴木らは、「医療機関と連携した医療機器開発」と題し、
参画する医師や医療従事者のモチベーションの維持、医師や医療従事者のア
イデアを知財として活用する方法の2つの課題に対し、前者は、常に大学ト
ップが把握し大学として認定し支援する制度によって、後者は、コーディネ
ーターの関与で解決に導いたことを報告した。
 広島大学の鈴藤らは、「広島県における医工連携の取り組み」と題し、実
証フィールドを活用し、製品開発当初から製販企業と共に、医療・福祉現場
での評価・改良および市場調査を行った結果、販路開拓や連携が円滑に行わ
れたことを報告した。
 活発な議論が行われた。医工連携を行う時には、これまでに蓄積した発表
者らの、問題解決への多くの事例や、奥深いノウハウを活用することの重要
性を感じた。

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                               以上