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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第637号 <2015.12.10>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
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特定非営利活動法人 産学連携学会 × 国立大学法人 東京医科歯科大学
平成27年度秋季 シンポジウムの開催報告

   オープン・イノベーション〜企業文化変革への挑戦〜
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産学連携学会理事 尾関 雄治(東レ)

 産学連携学会と東京医科歯科大学が共同主催した平成27年度秋季
シンポジウムが12月1日(火)、東京医科歯科大学 湯島キャンパスで
開催された。
 本シンポジウムでは、近年、急速に認知が進むオープン・
イノベーションについて、先駆的に取り組まれている企業の事例を
紹介し、続いて、オープン・イノベーションの課題や、業種および製品
のステージによって異なるオープン・イノベーションへの取り組み方を
紹介、比較、議論した。
 当日は、産学官から幅広く138名の方々に参加いただいた。
プログラムは以下の通りであった。

■開会挨拶、趣旨説明:本会会長 小野 浩幸(山形大学)
■挨拶:東京医科歯科大学 研究・国際担当理事 森田 育男 氏
■基調講演:
  『オープン・イノベーションに向けた富士フイルムの取組み
        − 事業環境の激変と新規事業創出に向けた戦略転換』
 富士フイルム(株) 取締役 執行役員 知的財産本部長 浅見 正弘 氏

□講演1(全体の状況):
『モノづくりの世界におけるオープン・イノベーションの広がり』
 (株)ナインシグマ・ジャパン 取締役       星野 達也 氏

□講演2(事例1):
『オープン・イノベーションで切り拓く新事業創造
−大阪ガスグループが取り組む価値創造型オープン・イノベーション−』
大阪ガス(株) オープン・イノベーション室長 松本 毅 氏(本会理事)

□講演3(事例2):
『パナソニックにおけるオープン・イノベーションへの取り組み』
パナソニック(株) 全社CTO室技術戦略部技術戦略課 主幹 濱崎 省吾 氏
     
□講演4(事例3):
『「想い」と「連携」で実現するサービスイノベーション』
セコム(株) 常務執行役員 IS研究所所長     小松崎 常夫 氏
   
★パネル討論:
     『各社のオープン・イノベーション戦略とマネジメント手法
                〜顕在化してきた課題とその対応〜』
     ●パネリスト:
      ・(株)ナインシグマ・ジャパン 星野 達也 氏  (前掲)
      ・大阪ガス(株)        松本 毅 氏   (前掲)
      ・パナソニック(株)      濱崎 省吾 氏  (前掲)
      ・セコム(株)         小松崎 常夫 氏 (前掲)
     ●コメンテータ:経済産業省 産業技術環境局
             技術振興・大学連携推進課長 山田 仁 氏
     ●モデレータ:本会理事 尾関 雄治(東レ)
■オープン・イノベーション研究会の紹介:尾関 雄治(前掲)
■閉会:本会副会長 石塚 悟史(高知大学)

 小野会長からの趣旨説明では、産学連携による新しい知の生産活動の中
で、近年、新たにオープン・イノベーションへのパラダイムシフトが起
こっており、オープン・イノベーションに取り組む企業が増えている一方、
様々な課題が顕在化してきていることから、本シンポジウムではそれらの
課題の抽出と対策などに関する議論を期待すると述べられた。

 基調講演では、浅見氏から富士フイルムの基幹事業の一つであったフィ
ルム市場が急速に縮小する中で、富士フイルムが保有する技術での事業拡
大にオープン・イノベーションを活用していることが紹介された。オープ
ン・イノベーション・ハブの活用状況や、富士フイルムのオープン・イノ
ベーションの連携パターン(垂直統合→水平分業→上位レイヤでのオープ
ン・イノベーション)とそれぞれの課題についてご説明いただいた。

 講演では、まずナインシグマ社の星野氏から、最近の技術スカウティン
グの傾向と成功例について紹介いただいた。続く事例紹介では、まず、大
阪ガスの松本氏から、大阪ガスのオープン・イノベーション室の取り組み
について、毎年何十件もの公募を行い、多くの成果が出ていることを紹介
いただいた。続いて、パナソニックの濱崎氏から、オープン・イノベーシ
ョンの手段の一つとしてコーポレート・ベンチャー・キャピタルについて、
製品群ごとに整理された連携ポートフォリオとともに紹介いただいた。ま
た、セコムの小松崎氏からは、サービスイノベーションにおけるオープン
・イノベーションの活用について、意思疎通が難しい社外連携では「のり
しろ」として働く相手への思いや心配りが重要であると紹介された。

 パネル討論では、オープン・イノベーション活動に取り組む際に直面す
る課題をリストアップし、それぞれの対策を討議した(社内的課題、連携
段階の技術的課題)。続いて、業種・ステージに応じたオープン・イノ
ベーションの活用法について、比較・検討した。研究・開発の出口側を
オープン・イノベーションで強化する企業、テーマ創出段階を強化する企
業、新しいビジネスモデル構築にオープン・イノベーションを活用する企
業など、様々であった。またこれらの内容は、各社の研究・開発戦略と密
接な関係にあることが分かった。討論会後半では、会場からの質疑にも答
えつつ、熱心な議論が展開された。

当学会では、今年からオープン・イノベーション研究会を発足し、本シン
ポジウムでの討議をさらに深掘りするとともに、各機関のオープン・イノ
ベーションへの取り組み状況、オープン・イノベーション支援システム、
および政府の動き等を情報共有する予定である。

 なお、本シンポジウムに対して多くの方々からアンケートの回答をいた
だいた。シンポジウムテーマや学会活動に関わる多くの有用なご意見があ
り、今後の活動に反映していきたい。
                               以上