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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第625号 <2015.11.11>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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大会終了後の恒例の「座長報告」が始まりました。各講演の要点、セッショ
ンのまとめをこれより順次、会員の皆様にお届けいたします。

産学連携学会第13回大会
一般講演、オーガナイズドセッション、ダイアローグセッション 座長報告(11)
  −産学官連携の分析2 座長:内島典子
  −研究分析      座長:永冨太一
  −大学における産学官連携・研究推進人材の現場意識と情報の共有化 
             オーガナイザー/座長:馬場大輔
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産学官連携の分析2  座長:内島典子
6月26日(金)第2日目D会場(10:15〜11:30)

本セッションでは、「地方大学における産学共同研究の実状解明の実証的研
究」と題する一連の5件の報告がなされた。地方大学が進めて来ている共同
研究の実績データから相手先の属性・地理的分布などを解析し、北村(鳥取
大学)、藤原(岡山大学)、川崎(新潟大学)、そして竹下(長崎大学)が、
それぞれが所属する大学における共同研究の実状について分析結果を報告し
た。最後に北村がそれらの結果を総括し、企業との共同研究の割合、大企業
との共同研究の割合、大学研究者一人あたりの共同研究件数、企業との共同
研究1件あたりの研究費受入額、その他の共同研究1件あたりの研究費受入
額について、報告された4大学の実態と全国の平均値情報を合わせた考察を
行った。上記指標により描出される共同研究の姿には、地方大学に共通する
特徴や、また地方大学にあってもそれぞれの大学の置かれている環境や活動
により異なる特徴が現れていた。膨大かつ明確な実績データに基づく新たな
研究への取り組み事例であり、個々の大学にとってもまた産学連携学にとっ
ても有益な検討が為されるものと今後の研究の進展が期待された。
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研究分析  座長:永冨太一
6月26日(金)第2日目D会場(13:30〜14:45)

本セッションでは学術情報を基に各大学の特色把握や研究戦略を策定する際
の判断材料としての活用を図る等の計量書誌学的な視点での研究分析の発表
が行われた。細野はNISTEPが提供するサイエンスマップを用いて大学の被引
用数TOPの研究領域を抽出し、当該研究領域がその大学の代表的な研究とな
り得ているかを検討した。清水らは産学共同研究の成果論文を先進12か国間
の比較分析を行い、総論文数に占める割合は日本が各国と比較して高いもの
の、近年は唯一減少傾向にあるという結果と共に論文の質が他国に比べて高
いものでないという結論を報告した。荒木らは職務発明等の研究成果の評価・
市場価値の分析に計量書誌学的な手法を用いることが可能かを検証し、一定
の判断材料として機能するという結果を報告した。梶野らは多角的な視点か
ら大学の研究の独自性やその特色についての抽出、研究活動や産学連携活動
全般における変遷についての分析を行い、今後の大学の方向性を探るツール
としての活用を始めたことを報告した。どの報告も独自の研究分析によって
各大学の戦略策定に有効なツールとして纏められており、今後の他大学への
広がりを予感させた。
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大学における産学官連携・研究推進人材の現場意識と情報の共有化 
               オーガナイザー/座長:馬場大輔
6月26日(金)第2日目D会場(15:00〜16:00)

本オーガナイズドセッションは、本年4月に発足した「産学連携学会リサー
チアドミニストレーション研究会」のキックオフとして位置付け、研究会の
設立経緯と趣旨、今後の展開について、主に会場の参加者との意見交換を重
視し議論を展開した。まず、研究会代表の馬場(岐阜大学)から、本研究会
が研究者を支援する“現場”の実務者が抱える共通の現場の課題などに対し
て自由に意見交換する場である旨を説明し、以降3名の話題提供に続いた。
伊藤(秋田大学)は、地方中小規模大学におけるURAの実情を説明した上で、
URA=何でも屋論、政府潮流への対応について問題提起した。渡邊(名古屋
大学)は、東海地域の研究支援者ネットワークの実活動を説明した上で、地
域発展と自らのスキルアップを意識し継続的かつバランスの取れた活動維持
の難しさを問題提起した。岡野(横浜市立大)は、実務者間の情報共有の重
要性と共有レベルに対する“場”の特性について説明した上で、実務者に有
益な場のあり方について問題提起した。会場からは、現場課題の共有限界、
失敗事例の共有化とNDA、情報共有の課題、組織改編論についての議論から
発展し、研究会での取り組みを基軸に、若手実務者からの上層部や国への提
言に期待する声をいただいた。今後、本セッションの機会を生かし、益々研
究会活動を盛り上げていく。
                                以上