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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第613号 <2015.10.23>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
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大会終了後の恒例の「座長報告」が始まりました。各講演の要点、セッショ
ンのまとめをこれより順次、会員の皆様にお届けいたします。

産学連携学会第13回大会
一般講演、オーガナイズドセッション、ダイアローグセッション 座長報告(7)
  −プロジェクト評価2    座長:小野浩幸
  −大学間連携        座長:小野寺純治
  −開物成務塾        座長:山本一枝
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プロジェクト評価2  座長:小野浩幸
6月26日(金)第2日目A会場(15:30〜16:30)

 本セッションでは、4人の発表者による4件の発表があった。まず,小竹
(名古屋工業大学)は、大学内で開発された先端材料技術の研究開発支援シ
ステムと、それを用いた大学発ベンチャーを取り上げ、その意義と可能性に
関する考察を述べた。川名(東京海洋大学)らは、研究開発から事業持続可
能な社会還元までのリスクを異なる当事者が段階的に分担する「多段階社会
還元手法(海洋大モデル)」について発表した。林(日本立地センター)は、
地方都市における産学官連携による中小企業振興促進事例の一つとして「宮
城おおさき堀切川モデル」を紹介した。小野寺(岩手大学)は、JST「我が
国の未来を拓く地域の実現に関する調査研究」の採択を受け行った「地域農
林水産・地下資源の多面的活用を目指す調査研究」の成果について紹介した。
これらの発表に用いられた分析ツール、ITシステム、事業化社会モデルにつ
いて、様々な角度からの議論が活発に行われた。
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大学間連携      座長:小野寺純治
6月26日(金)第2日目B会場(9:00〜9:45)

 本セッションでは、3件の発表があった。伊藤(群馬大学)は、同氏らが
これまでに見出してきた産学連携コーディネータの3分類(デパートの総合
案内係型、ホームドクター型、プロデューサー型)において必要とされるス
キルや知識の要素分析を踏まえて、群馬大学、茨城大学、宇都宮大学等が共
同で「科学技術人材育成コンソーシアム事業」において取り組んでいる中小
規模大学の研究支援人材育成モデルとしての「多能工型」研究支援人材育成
の取組を報告した。また、永冨(香川大学)らは、四国5大学が2013年度に
設立した知のプラットフォーム構築活動としての「四国産学官連携イノベー
ション共同推進機構」における知的財産管理システムの導入による情報管理
一元化についての取組を報告した。最後に、網中(東京医科歯科大学)らは、
2015年に法人会員30機関、個人会員285名で発足した「医学系大学産学連携
ネットワーク協議会(medU-net)」が5年を経過し、これまで取り組んでき
た共通課題解決に向けた取組、各種リソースの共有、政策提言活動に加え、
2014年度に新たに立ち上げた医療イノベーションシステムの構築を目指す
「OACIS WG」及び製薬企業との連携を目指す「medU-bridge WG」の2つのWG
の活動報告を行った。
 国立大学が法人化されてから10年が経過し、各大学が理念先行の連携から、
地域特性や専門性を踏まえた本格的な大学間連携を展開しつつあるステージ
に入ってきていると感じたセッションであった。
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開物成務塾      座長:山本一枝
6月26日(金)第2日目B会場(9:45〜11:15)

本セッションでは、「−福岡県中小企業家同友会の九州・大学開物成務塾の
実践−」について経営者による6件の発表があった。開物成務塾は湯本教授
が九州大学と福岡県中小企業家同友会の経営者で創設した、経営者が新しい
発想・創造法を学び、自分達のアイデアで新しい製品・商品・事業を相互研
鑽して創り出し、自分達の足元に利益と雇用を創り出す活動である。高谷
(ユニティ)らは「草の根イノベーション開物成務塾の展開について」報告
した。実践型ワークショップで130件を超える新商品の発表があり、1社1億
円100社で100億円を目指す。岩崎(ATUホールディングス)らは、開物成務
塾をきっかけに、障害者雇用による警備という新役務で、共同出資会社ATU
ホールディングスを創業した事例を報告。綾戸(福岡リーダーズ倶楽部)は
「エネルギー・食糧・水の100%国内自給で持続可能な日本社会を創る」と
の理念で「一般社団法人ふるさと創成の会」を立ち上げた経緯を報告。小橋
(ミルテックジャパン)らは「建築物のカビ防除システム(ミルテック工法)
でのカビ防止のサービス経過報告」で、採用実績増加・販路拡大を報告した。
古川(ニッコー・ネット)らは、小規模事業者は新しい価値を生み出す、商
品・サービスを生み出す発想法を学ぶ必要があり、産学連携プラットフォー
ムを作ることが重要と述べた。阿野(長崎はいからさん)は、「カンタン着
物・長崎はいからさんの開発と普及の実践」について述べ、着物という「モ
ノ」を売ることから、「着物体験」という新たなサービスに変えて実績を上
げ、海外観光客誘致に貢献するまでに成長したことを報告した。「開物成務
塾」は、塾生である経営者の協働能力の向上を実現し、共創体験を通じて相
互理解を深め、それぞれが新たな「価値」を生み出している「実践型イノベ
ーションモデル」である。この活動は、地域の参加企業それぞれに事業の質
の向上という大きな成果を生み出し続けている。
                                以上