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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第604号 <2015.10.7>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
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大会終了後の恒例の「座長報告」が始まりました。各後援の要点、セッショ
ンのまとめをこれより順次、会員の皆様にお届けいたします。

産学連携学会第13回大会
一般講演、オーガナイズドセッション、ダイアローグセッション 座長報告(4)
   −医工連携1          座長:石埜正穂
   −医工連携2          座長:中村守彦
   −医工連携3          座長:大石博海
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医工連携1    座長:石埜正穂
6月25日(木)第1日目D会場(14:00〜15:15)

2015年6月25日(木)に設けられた「医工連携1」セッションに関して報告
する。
まず最初に大石博海氏(長崎県産業振興財団)より「医工食連携研究会と産
学官連携コーディネーターの役割」というタイトルで、医工食連携研究会・
分科会の事例とCDの役割について報告があった。次に、中村守彦氏(島根
大学)より「産学官連携によるやさしい医工連携のススメ」というタイトル
で、開発対象の敷居を低くして医工連携・医農連携に中小企業を呼び込む島
根大学と出雲市の取り組みについて報告があった。次に、鈴藤正史氏(広島
大学)より「広島県における医工連携の取組み―医療・福祉機器サービスの
開発支援事業 医療・福祉機器サービスの開発支援事業―」というタイトル
で、広島市の「ひろしま医療関連産業創出支援事業」の支援課題と成果につ
いて報告があった。次に、小野寺雄一郎氏(浜松医科大学)より「浜松医科
大学×はままつ医工連携拠点『メディカルフォトニクスを基盤とする国産医
療機器創出促進基盤整備等事業』」というタイトルで、厚生労働省の「国産
医療機器創出促進基盤整備等事業」や「JST地域産学官共同研究拠点整備事
業」等を活用しながら医工連携推進システムを築き、人材育成や技術開発・
事業化促進を進めている現状について報告があった。最後に、桐田泰三氏
(岡山大学)より「国産医療機器創出促進基盤整備等事業のプログラムへの
岡山大学の取り組み」というタイトルで厚生労働省の「国産医療機器創出促
進基盤整備等事業」を受けつつ展開している事業や、地元企業若手研究者へ
の教育の試みについて報告があった。以上、医工連携という広い概念で括ら
れる産学連携活動に関して、各大学の試みについて報告がなされた。それぞ
れ工夫を凝らした努力を地道に積み重ね一定の成果を上げており、興味深か
った。しかしながら、これらの活動については、クラスV、Wの医療機器の
開発を当然の視野に入れたハイレベルな医工連携活動と、薬事申請の不要な
介護福祉分野やクラスT〜Uの医療機器の開発を中心とした医工連携活動と
に、大きく2分された。前者については、それを可能にするような一定の環
境的背景(近隣の企業等)に恵まれている部分が存在するものの、現場の積
極的な挑戦と努力が実りつつあるものといえる。モデルケースとして大いに
参考にすべきであろう。一方、後者においては、活動対象を最初から薬事申
請不要なものに割り切って限定する意図も一部見られたが、工学や看護学の
学部しか有しない大学であれば格別、医学部を有する大学のスタンスとして
は、やはりクラスV、Wの医療機器の開発にも活動の焦点をあててほしいよ
うに感じた(大学全体としてそちらのフォローもきちんとなされているので
あれば杞憂である)。
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医工連携2    座長:中村守彦
6月25日(木)第1日目D会場(15:15〜16:00)

本セッションでは3件の発表があった。藤原ら(岡山大学)は、医療現場の
ニーズを基にして、地元企業とマッチングした開発事例として点滴棒接続具
を挙げ、開発に至った経緯を詳細に紹介した。安全性を重視して開発を慎重
に進め、特に転倒事故を防止する工夫がなされたが、これは医療用品を開発
する上で極めて重要な要素である。服部ら(山梨大学)も医療現場ニーズを
起点にした事例を紹介した。点滴のライン抜去を防止するユニークな保護具
を商品化したが、その市場規模や販売見込みなど不確定要素があり、マーケ
ティングの重要性を説いた。土橋ら(群馬大学)は、アレルギー対策として
地元企業と協同で住居環境を改善し、医学的な見地からその効果を徹底検証
した。居住環境の改善によるダニ等の原因抗原の低減が、アレルギー症状改
善に繋がることを報告した。それぞれ、医療現場のニーズに見事に応え、医
工連携により、通常困難とされる医学研究に果敢に取り組んだ成果発表で、
これらに対して会場から活発な質疑、有益なコメントがなされた。
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医工連携3    座長:大石博海
6月25日(木)第1日目D会場(16:15〜17:00)

本セッションでは、3件の三重県に措ける地域資源等を活用した事例発表が
あった。まず、林崎ら(三重県健康福祉部ライフイノベーション課)は、県
内・中小企業の高い技術力を景気に左右され難い医療・健康・福祉産業の分
野へ産業構造の転換を目指して、医薬品・医療機器・福祉用具等の創出を図
った。その取り組み事例の紹介があった。特に、異分野から医療分野への参
入支援(薬事法・販路拡大)及び、医療機器メーカが山積する東京本郷を定
期的に訪問、現場ニーズ調査・マッチング法はユニークである。土性ら(三
重県健康福祉部ライフイノベーション課)は、三重県における 医薬品等の
継続的な開発促進できる仕組みに関して、紹介があった。調査事業・研究開
発から市場投入を目指す事業者を公募・更に、専門家等で構成する開発促進
会議で研究から流通に至る各ステージの事業展開を支援する組織を構築した。
分野的に、医薬品・化粧品以外に、高機能を有する食品開発(医療食・介護
食)へ広げた内容であった。最後に、竹川ら(株式会社フラン)は、医薬品
開発の事業化支援(平成24年〜27年・県内及び県外企業9社)に関して、
支援内容と成果を詳細に説明した。以下のコメント等があった。事業者の絞
り込みで効果的な支援に繋がった。一方、課題もある。課題解決に、綿密な
事業計画・調査が必要である事を強調した。これらの事例は、地域に措ける
医工連携事業の先進的モデルである。
                                以上