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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第496号 <2014.10.2>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
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大会終了後の恒例の「座長報告」が始まりました。各講演の要点、セッションの
まとめをこれより順次、会員の皆様にお届けいたします。

産学連携学会第12回大会
一般講演、オーガナイズドセッション、ダイアローグセッション 座長報告 (4)

−人材育成1−  京都工芸繊維大学   稲岡 美恵子
−人材育成2−       佐賀大学       佐藤 三郎
−産学官連携の分析3−    千葉工業大学     山口 佳和

※大会のプログラムは次のURLよりご覧いただけます。
http://j-sip.org/annual_meeting/12th_2014/program5.pdf
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「人材育成1」        京都工芸繊維大学   稲岡 美恵子 

 本ダイアロ−グセッションでは、人材育成について4件の発表を5分間のリ
レー式プレゼンテーションで行った後、各ポスター前にて活発な意見交換が行わ
れた。
桑江ら(宇都宮大学)は、ポストドクター・キャリア開発事業の2年目の活動と
して、3ヶ月以上の長期インターンシップを実施していること、支援対象を学外
のポスドクにも拡大していること紹介し、当該活動が定着化しつつあることを報
告した。
三須ら(鳥取大学)は、発明を把握する方法として、3Dプリンターを用いてア
イデアを形にするる可視化が有効であったという知財教育について報告した。
山名(富山大学)は、富山大学ではキャリア教育の1つとして大学1年生を対象
にアントレプレナーシップ教育を取り入れた教育プログラムを平成26年後期より
実施予定であることを報告した。
元木ら(京都大学他)は、諏訪地域の中小企業集積と大学が連携したものづくり
ワークショップの試みについて、学生の課外学習として始めたものであるが、現
在では地域の人も参加して一緒に学ぶワークショップとなっており、地域におけ
る人材育成の可能性について報告した。
いずれも、大学における人材育成および教育内容として、他大学において参考と
なる具体的な取り組み活動の報告であった。

「人材育成2」        佐賀大学       佐藤 三郎

 本セッションでは、5件の発表があった。まず、林靖人(信州大学)は、米国
他で調査したユニバーシティー・エンゲージメントについて運営法の特色を示
し、これが産学連携の関係者にとどまらず、大学や地域を支える人材育成を促す
可能性の有ることを示した。馬場大輔(岐阜大学)は、新人URAの人材育成に産
学連携の経験が効果的であり、学内外の事情や状況をバランスを保ちながら情報
収集・発信していくことがスキルアップにつながると述べた。渡邉ら(高知県立
大学)は、食品衛生管理手法の1つであるHACCP(危害分析・重要管理点)を中小企
業が大きな負担無く導入できるよう事務局を大学内に設置し、講習会・講座の企
画・運営を行った事例紹介を行った。荒磯恒久(北海道大学)は札幌が核となっ
て実施したイノベーションマネージャー人材育成プログラムを紹介し、受講生が
自発的に事業形成に取り組む大切さを示した。最後に村上ら(信州大学)は、ポス
ドクからURAに着任したここ1年半を振り返り、どのような業務を通してスキル
アップできたかについて事例を通して紹介した。
以上、5件の発表を含むダイアローグセッションは、座長自身にとっても初めて
の経験で、とても新鮮味があり有意義な討論を時間一杯できた。このセッション
の今後の発展が期待される。

「産学官連携の分析3」    千葉工業大学     山口 佳和

本セッションでは、5件の発表があった。野澤(文部科学省科学技術・学術政
策研究所)は、コンサルティング・技術相談活動に関する大学などの高等教育機
関の883校からの回答の分析結果を説明し、これらの活動の有用性については幅
広く認識されているものの、組織としての実態の把握やマネジメントが十分では
ないことを指摘した。北村ら(島根大学、岡山大学、新潟大学、長崎大学)は、
2004年度〜2012年度の国立大学法人における共同研究1件当たりの研究費受入額
の分析結果を説明し、一部の大学を除いて研究費受入額は横ばい状態であり、大
学の規模が大きくなるほど研究費受入額が大きくなる傾向が見られることを指摘
した。佐竹ら(日本専門家活動協会)は、大学・高専等がインターネット上に公開
している研究者情報を、研究者の対外的なアピール度を中心にした1〜4の評価点
を付けて分析した結果を説明し、研究者の情報の非公開や未更新が目立つこと、3
以上の評価点の割合は産学連携の協力研究者の割合に一致することを指摘した。
菊池(科学技術振興機構)は、科学技術振興機構が主催する新技術説明会、イノ
ベーション・ジャパン、産から学へのプレゼンテーションの成果について説明
し、製品化・事業化に進展する例は極めて少なく、コーディネーターや企業の努
力や情熱が不可欠なこと、公的支援制度の充実が必要なことを指摘した。下田ら
(前橋工科大学、前橋市)は、企業課題の実用化・学術論文化を目指す産学連携モ
デルの実施例である公募型共同研究事業の結果について説明し、このアプローチ
により企業課題に対して学が企業の下請けにならず、学の使命である学術論文化
に有効である可能性が示されたことを指摘した。これらはいずれも、データの定
量的な分析あるいは事業の実施結果の分析に基づく実証的でユニークな研究発表
であり、研究あるいは事業の今後のさらなる発展と成果が期待される。

                                  以上