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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第392号 <2013.8.21>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
会員の皆様への情報の配信をご希望の方は,news@j-sip.org
あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
バックナンバー:http://j-sip.org/mail_news.htm


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大会終了後の恒例の「座長報告」が始まりました。各講演の要点、セッションの
まとめをこれより順次、会員の皆様にお届けいたします。

産学連携学会第11回大会
一般講演&オーガナイズドセッション 座長報告 (11)

−産学連携システム−             千葉工業大学 山口 佳和
−国際産学連携−               静岡大学   木村 雅和
−医工連携−                 島根大学   中村 守彦

※大会のプログラムは次のURLよりご覧いただけます。
http://j-sip.org/annual_meeting/11th_2013/program3.pdf
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−産学連携システム−             千葉工業大学 山口 佳和
6月21日(金)第2日目 D会場 (9:00〜10:15)

本セッションでは、5件の発表があった。北川、澤田ら(小樽商科大学)は、同大
学ビジネス創造センター(CBC)による、提携コンサルタントを活用して企業、起
業志望者向けに相談サービスを提供するCBCビジネスサポートを2011年に設置し
たことを紹介し、その基本スキームと課題(守秘義務協定、大学としての免責、
所属組織からの就任許諾)を解決する取り組みを説明した。清水ら(鳥取大学、岡
山大学)は、同両大学に事務局を設置して実施している、中国地域における広域
産学官連携である中国地域産学官連携コンソーシアム(さんさんコンソ)を紹介し、
情報発信の展開、「森林系バイオマス活用による地域活性化」の取り組みと東日
本大震災復興支援、未利用資源(農林水産物、小水力発電など)の活用促進支援を
説明した。奈良ら(大阪大学)は、同大学の産学連携は、2006年に同大学に共同研
究講座制度を発足させるまでの第1ステージ、2011年に協働研究所システムを導
入するまでの第2ステージを経て、現在はIndustry on Campusを形作るCenter
of Innovationのための環境整備を目指す第3ステージにあることを説明した。中
澤ら(大阪大学、日立造船)は、日立造船が大阪大学に2009年に設立したHitzバイ
オマス開発共同研究講座が、2012年にHitz(バイオ)共同研究所に発展・拡大した
ことを紹介し、それまでの共同研究に加えて、マーケティング機能や自社製品開
発拠点としての能力が加わったことを説明した。近藤(国立高等専門学校機構)は、
国立高専は全国に51校、3,800名以上の教員、学科間や学校間の垣根の低さとい
う特徴があることを紹介し、人材育成に重点を置いた産学官連携活動ポリシー、
8地区に分けて地区拠点コーディネーターを配置するコーディネート活動の集約
化、研究ネットワークによる高専間連携・教員間連携を説明した。いずれもユニ
ークさが認められる有意義な産学連携システムの試みであり、今後のさらなる発
展と成果が期待される。
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−国際産学連携−                静岡大学  木村 雅和
6月21日(金)第2日目 D会場 (10:30〜11:15)

 本セッションでは3件の国際産学連携、特にアジアにおける産学に関する具体
的な事例報告があった。
 まず、近藤(横浜国大)より、産学連携における日中の比較について詳細な説
明があった。政府の関与の仕方に違いはあるものの、中国における産学連携では
経済効果が大きく、日本が中国から学ぶ点があることを指摘している。鬼頭(広
島大学)らはインドにおける産学連携の現状を調査・分析し、インドの自動車関
連企業における技術ニーズの一例を示した。例示された開発内容や先進技術は、
大学にとって対応できる可能性の高い分野であり、この解析手法によるニーズの
分析は強力なツールとなることが示唆している。清水谷(山口大学)はインドネ
シアを例に、学術交流協定大学とのネットワークを利用した地元中小企業の海外
進出支援について報告した。海外進出に関して、人材や経験が十分でない中小企
業を大学の人材や組織的ネットワーク活用して支援することは、地方における拠
点大学の先進的なモデルとなると思われる。
 全体を通して、アジアにおける産学連携の具体的な事例報告がなされ、参考と
なるセッションであった。中小企業も含め、多くの日本企業のアジア進出が進む
中、日本の大学が取り残されることなくアジアにおける産学連携を真剣に考える
時期に来ており、今後益々、国際産学連携が重要な課題になるであろう。
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−医工連携−                  島根大学  中村 守彦
6月21日(金)第2日目 D会場 (14:45〜15:45)

 本セッションでは医工連携への取り組みについて4件の発表があった。志賀
(秋田大学)は、医学部附属病院看護部より募集したニーズの中から実用化が可
能なアイデアを複数厳選し、それらの試作品を披露した。残りの3件は官が主導
の「みえライフイノベーションの推進」について、三重県健康福祉部から発表が
あった。樋口は、地域資源を活用した医薬品開発について薬事法の問題にも触れ
て報告した。高森は、これまでに構築された産学官民の人的ネットワークを活用
した医療・福祉機器等の製品開発についての成果を発表した。再び樋口は、「み
えライフイノベーション総合特区」について言及し、統合型医療情報データベー
スの活用や規制緩和策などを講じて期待される経済効果や雇用創出について具体
的な数値を掲げた。発表された4件全てにおいて薬事法の問題が関わっており、
医工連携を推進する上で難しい問題であることが改めて認識された。それぞれの
発表に対して活発な質疑応答がなされ、本セッション終了後も個々で情報交換す
る姿が少なからず見受けられた。
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                                  以上