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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第391号 <2013.8.16>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
会員の皆様への情報の配信をご希望の方は,news@j-sip.org
あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
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大会終了後の恒例の「座長報告」が始まりました。各講演の要点、セッションの
まとめをこれより順次、会員の皆様にお届けいたします。

産学連携学会第11回大会
一般講演&オーガナイズドセッション 座長報告 (10)

−共同研究事例1−              群馬大学  伊藤 正実
−共同研究事例2−              岩手大学  清水 健司
−産学連携施策−               山形大学  小野 浩幸

※大会のプログラムは次のURLよりご覧いただけます。
http://j-sip.org/annual_meeting/11th_2013/program3.pdf
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−共同研究事例1−                群馬大学 伊藤 正実
6月20日(木)第1日目 D会場(10:00〜11:00)

本セッションでは、「晶析」をテーマにした共同研究4件について、企業の立場
から報告がなされた。発表された方の所属する企業の規模はいずれも、中堅,大
手でありながら、その共同研究の構造は、ある種の明確なシーズが大学にあって
それを活用することが目的でなく、企業でのテーマの解決手段を得ることを目的
として大学との共同研究がなされていることや、少なくとも発表内容から判断す
るに企業側が対象とする目的物質に関する研究ではなく、モデル的な化合物を用
いて大学との共同研究から基礎的な知見を得る事が目的となっているところであ
る。おそらく共同研究から基礎的な知見を得て、その後,企業内部で実際のテー
マとなる系を企業内部でおこなうことが意図されているのであろう。企業でのテ
ーマの機密の漏えいを防ぐことや知的財産権等に関する自社内部での単独での担
保等,理由はいろいろと推測されるが、そのあたりまで踏み込んだ発表はいずれ
もなかった。
 佐藤らによる「撹拌技術による結晶品質の制御の基礎的研究に関する産学連携
事例」においては化学工学に属する晶析の分野と企業での基礎的知見として有す
る流体力学の分野融合のテーマであることが興味深かった。佐藤らによる「医薬
品製造プロセスへの応用を目指した結晶多形制御に関する産学連携事例」と千葉
らによる「半導体製造装置に関する産学連携の事例」の2件については事例の共
同研究の相手となる企業は大手の電気メーカーであり、どちらかというとドライ
プロセスを好むようなテーマでありながら、そうでないプロセスの検討を大学で
の晶析のノウハウを用いて基礎的なところから試みており、本テーマに関連して
企業側は、おそらくまったく異なるアプローチから大きなブレイクスル―が求め
られている状況と推察された。
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−共同研究事例2−                岩手大学 清水 健司
6月20日(木)第1日目 D会場(11:00〜12:00)
                 
 放射性セシウムを吸収しない作物や野菜の研究開発事例、CO2を削減するため
の取り組み、産学交流で環境貢献をめざす「イルカカレッジ」の取り組み、地場
中小企業と大学との連携による製品開発事例の4件が発表されました。
 当日の発表4件のうち企業に所属する方から2件が発表されました。
それぞれ、成果に至るまで、あるいは製品化に、販売までなど、事業化への背景
と研究機関との関係や共同研究での苦労話や、目標へのそれぞれの取り組みにつ
いてお話をいただきました。何れも、製品化に至るまでのこと、大学などの研究
者との関係やつながり、実績とこれからの展開に関する内容は、参加者にとって、
研究機関等々との共同研究を行うにあたって役立つことが多い内容が話されたも
のと思いました。
 また、何れの研究開発も、企業および人のネットワークが開発における情報収
集や製品化と販路とその拡大に有効であったことが話されました。   
 産学連携の必要性、重要性が共同研究と言った具体的な姿で示されたことから、
新たに共同研究を視野に入れている方々にとっても大いに参考になったものと思
われ、今後の発展が期待されます。
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−産学連携施策− 山形大学 小野浩幸
6月20日(木)第1日目 D会場(13:00〜14:15)

本セッションでは、産学官連携の「官」にスポットをあてた5件の研究成果が発
表された。いずれの発表者も行政関係者からの興味深い発表であった。野澤は、
科学技術政策研究所が2012年に実施した山形県、群馬県、長野県の企業を対象に
実施した産学連携の実態と課題に関する調査結果とその分析について報告した。
地域における産学連携の違いが浮き彫りにされた。山本は、2012年度に行った
「産学連携機能の総合評価に関する調査」に基づき、指標の選定及び評価、評価
指標の今後の活用検討について報告した。全国統一的な指標の設定が、各大学等
における産学連携活動におけるPDCAサイクルにつながることへの期待が述べられ
た。林らは、全国の工業系公設試験研究機関の現状分析とその結果から明らかに
された課題について報告した。産業技術総合研究所の「公設試験研究機関現況」
が発行・公表されなくなったことに伴う「見える化」の後退と機能低下の懸念が
議論された。菊地は、500万円以下の小額ファンドが果たす効用と意義について、
新聞掲載記事からの分析を報告した。分析結果に基づく小額ファンドの重要性が
強調された。内藤からは、農林水産・食品産業分野における産学連携支援事業に
ついて紹介が行われた。従来の支援施策に比べて、事業化まで視野に入れたシー
ムレスな施策設計と運用に変化していることが報告された。官という産学連携の
プレーヤーの視点から多くの報告と活発な議論が行われたセッションとなった。
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                                  以上