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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第390号 <2013.8.13>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
会員の皆様への情報の配信をご希望の方は,news@j-sip.org
あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
バックナンバー:http://j-sip.org/mail_news.htm


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大会終了後の恒例の「座長報告」が始まりました。各講演の要点、セッションの
まとめをこれより順次、会員の皆様にお届けいたします。

産学連携学会第11回大会
一般講演&オーガナイズドセッション 座長報告 (9)

−学術委員会チュートリアルセッション
「産学連携分野の研究と論文作成の視点」−    北海道大学  荒磯 恒久
−オーガナイズドセッション
「『RISTEX』プロジェクトに見る産学連携の展開の『ヒント』」−
                鹿児島大学  中武 貞文
−オーガナイズドセッション
「「TR研究会」産学連携とトランスレーショナルリサーチ」−
                        札幌医科大学 石埜 正穂

※大会のプログラムは次のURLよりご覧いただけます。
http://j-sip.org/annual_meeting/11th_2013/program3.pdf
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−学術委員会チュートリアルセッション
「産学連携分野の研究と論文作成の視点」−  北海道大学  荒磯 恒久
6月21日(金)第2日目 C会場 (13:00〜14:30)

セッションの目的
産学連携学会の目的の一つは「産学連携事例の蓄積から産学連携の体系的把握を
する」ことである。本セッションでは中小企業で行われたケースを基に,そのケ
ースからどのような研究・論文作成ができるかを具体的に議論した。
セッションの概要
@趣旨説明と様々な視点(山口佳和,千葉工業大):科学的な研究と論文作成に
ついて説明し,「本学会員が普段から携わっている様々な産学連携活動は,産学
連携学の論文にできる可能性が高い」と締めくくった。
Aケース紹介(伊藤正実,群馬大):中小企業による「光造形機の開発」を紹介。
B特許等の定量分析の視点(川崎一正,新潟大):光造形に関する特許の年次推
移等の視点。
C経営学的視点(松尾純廣,大分大・経済学部):成長性評価,事業戦略,資源
配分,事業成長の見極め,産学連携の有効性評価の各視点から論文作成のヒント
を紹介。
Dファイナンス(政府系補助金)の視点(小野浩幸,山形大):ファイナンスが
「リスクの克服」,「信用の向上」,「時間の短縮」にどのように役立ったかを
定量的に検証することで論文化が可能。
E公設試の支援と中小企業の人材育成の視点(林聖子,日本立地センター):公
設試のどのような支援が役立ったか,プロジェクトに参画した社員はどのような
技術を獲得したか,等をインタビューにより詳細を見出す(Fact finding)。
F論文作成の留意点(荒磯恒久,北海道大):代表的な産学連携スキームの中で
論文化しようとしている事象の位置を確認。
パネルディスカッション
フロアーから,「中小企業戦略としての産学連携」などの更なる研究の視点が提
出され,パネリストとの議論がなされた。議論は産学連携と中小企業の係わりに
発展する一方,ケース研究の方法論についての意見もあり産学連携研究の多様性
を改めて感じさせる議論となった。
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−オーガナイズドセッション
「『RISTEX』プロジェクトに見る産学連携の展開の『ヒント』」−
                  鹿児島大学  中武 貞文
6月21日(金)第2日目 C会場 (14:45〜16:15)

学会オーガナイズドセッション「『RISTEX』プロジェクトに見る産学連携の展開
の『ヒント』」では、近年、産学連携活動に密接に関係する知見を創出している
独立行政法人科学技術振興機構社会技術研究開発センター(JST-RISTEX)の『イ
ノベーション政策のための科学(SciREX)』、『科学技術と社会の相互作用』の
2つの領域の最新動向・知見を産学連携実務に携わる学会関係者と共有し、理論
と実践の接点を見出すこと、産学連携を展開する上での理論的『ヒント』を得る
ことを目的とした。
 中武より本セッション開催に至る経緯と趣旨説明を行った後、九州大学の永田
より、「『政策のための科学』拠点整備事業とRISTEXプロジェクト『地域科学技
術政策を支援する事例ベース推論システムの開発』」としたテーマ発表が行われ
た。信州大学の林からは、信州大学にて行われている無電源地区への電力供給・
災害対応用の小水力発電の設置や次世代地下水ヒートポンプ空調の導入ケースを
設定し、社会科学分野のアプローチを最大限に活用しながら課題解決・社会実装
のための「社会技術」の開発、実践が紹介された。鳥取大学の前波からは、「科
学への関心」や「政策への関与」等の観点からセグメンテーションやプロファイ
リングを行い,これまで漠然と「国民」とされていた国民像をいくつかの鮮明な
セグメントで捉え直した上で,国民に対する専門家コミュニティや政策実務者か
らの情報を加えた「政策オプション」を策定することを目指すフレーム設計とそ
れに貢献しうる産学官連携コーディネーターの可能性が紹介された。大阪大学の
平川からは、大阪大学で進められてきたサイエンスショップの事例から見えてき
た対話の重要性、そしてサイエンスショップと産学連携の関係性、COIストリー
ムビジョンのツールの思想としても組み込まれているコミュニケーションとイノ
ベーションについて紹介がなされた。これらの発表を受けたセッション後半では、
会場との質疑を軸に討論が行われ、産学連携への展開のヒントに繋がる情報が行
き交う有意義な場となった。
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−オーガナイズドセッション
「TR研究会」産学連携とトランスレーショナルリサーチ」−
                        札幌医科大学 石埜 正穂
6月21日(金)第2日目 D会場 (11:15〜12:00)

本セッションでは3件の発表があった。まず、オーガナイザーの石埜(TR研究
会代表・札幌医科大学)は、本研究会を立ち上げた経緯を紹介し、医療系シーズ
の実用化においては、ヒトに適用する要請から、トランスレーショナルリサーチ
の視点が欠かせず、産学連携の枠組みにおいても当該フォローを避けて通ること
ができない旨を説明した。そして、具体的事例として、札幌医大において進めて
いるTR・医師主導治験の概容について報告した。飯田(東京医科歯科大学)は、
医学系大学産学連携ネットワーク協議会(medU-net)の枠組みで挑戦している、
TRを含む医学系産学連携における専門的な経験・人材・機能を共有する仕組み
作りについて紹介した。西村(三重大学)は、産業界の付加価値創造に地方大学
医学部の持つ潜在ポテンシャルを顕在化させる取組みとして、みえメディカルバ
レープロジェクトなどを紹介した。最後に、TR推進を視野においた医学系産学
連携の在り方について、ディスカッションがなされた。
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                                  以上