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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第387号 <2013.8.7>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
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大会終了後の恒例の「座長報告」が始まりました。各講演の要点、セッションの
まとめをこれより順次、会員の皆様にお届けいたします。

産学連携学会第11回大会
一般講演&オーガナイズドセッション 座長報告 (7)

−学金連携−          新潟大学  川崎 一正
−大学における産学連携体制− 北海道大学 荒磯 恒久
−大学における研究支援体制− 岐阜大学  野田 誠一

※大会のプログラムは次のURLよりご覧いただけます。
http://j-sip.org/annual_meeting/11th_2013/program3.pdf
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−学金連携−                    新潟大学  川崎 一正
6月20日(木)第1日目 C会場(10:00〜11:00)

学金連携のセッションでは、4件の発表があった。最初に、広島大学の沖井より、
広島大学の保有特許を広島銀行の取引先ネットワークを利用して取引先に紹介す
る「大学保有特許ライセンス仲介」の報告があった。次いで、山形大学の小野よ
り、地域密着型金融導入によって中小企業の金融モデルが地域産業活性化の視点
から期待が高まってきたことに関しての考察ならびにこれに関連しての山形の事
例の報告があった。さらに、山形大学の櫻井より、一金融機関を調査対象として
リレーションシップ・バンキングと財務情報重視に着目し、本部と営業店の企業
評価についての報告があった。最後に、岩手銀行の猪俣より、いわて産学連携推
進協議会(リエゾン−T)による大学のシーズと企業のニーズとのマッチングの
取り組みにおける成果と課題の報告があった。このセッションでは、金融機関が
いかに大学と連携して地域産業活性化に貢献していくかを考える機会となったセ
ッションであり、今後、他機関でも産学金連携を展開する上で参考になる事例が
示されたと考えています。
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−大学における産学連携体制−  北海道大学 荒磯 恒久
6月20日(木)第1日目 C会場(11:00〜12:15)

発表演題
@大学の外部研究資金獲得に関するミクロポテンシャル(田村元紀,電通大)、
A学内競争的資金による産学連携プロジェクト研究の活動支援(山名一男,富山
大)、B高知県における食品の臨床支店体制の構築(石塚悟史 他,高知大)、
C地域課題解決のための人材育成型シンクタンクの創出(林靖人,信州大)、D
大学および学協会における利益相反マネジメント(新谷由紀子 他,筑波大)
新たな視点・取組
@及びDは現状の分析から問題点を指摘するもので、田村氏の報告では調査三大
学において50%の外部資金が3%の教員によって獲得されている実態が明らかと
なり、これは大学における産学連携の在り方を考えるうえで重要な視点を与える
ものである。Dでは利益相反マネジメントの実態がアンケート調査から詳細に報
告された。
A、B、Cはいずれも基礎研究と産学連携研究の間には大きなギャップがあるこ
とを認識し、従来の大学の枠組みを超えた体制構築に関するもので我が国の産学
連携進展を示すものとして極めて興味深く、また各大学の取り組みは高く評価さ
れるものである。Aの富山大では産学連携部局が独自の研究経費による支援を行
うもので、産学連携部局がコーディネート部署からプロデュース部署への転換を
示唆している。B及びCは複数の学部と複数の学外機関と連携する体制構築に係
るもので意欲的であり実効が期待される。Bの高知大では県の優位性である食品
産業に関し、その高付加価値化を目指して食品の臨床試験体制を農学部、医学部、
協力医療機関、企業、県により構築するもので、フロアとの熱心な質疑も行われ
た。Cの信州大では産学連携は「自分の領域を超えて踏み込む『総合学術』」で
あると位置づけ、大学が地域戦略センターを持つ構想が報告された。
これらの例は我が国の今後の産学連携体制構築に向けて重要な試みとなろう。
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−大学における研究支援体制−  岐阜大学  野田 誠一
6月20日(木)第1日目 C会場(13:00〜14:15)

本セッションでは、大学における研究支援体制に関する5件の発表があった。先
ず、伊藤(秋田大学)らは、若手研究者への研究支援に関する意識調査を行い、
ベテラン研究者との連携の有無と研究完成が当学赴任の前後かで課題を抽出した。
その結果、「個を意識したチームの支援」を行い「研究成果の見える化」の支援
が重要であることを述べた。大宮(岐阜大学)らは、岐阜大学の自治体や企業と
の連携活動の事例を紹介し、この中でのURAの役割や課題を示した。更に、馬場
(岐阜大学)らは、従来の産学連携や地域連携機能を統合して発足した機構にお
いて、そこに配置されたURAの半年間の活動とその成果を述べた。先の大宮の報
告と併せて、URAの本質的使命や産学連携コーディネーターとの役割分担の質問
があった。李(山口大学)らは、「山口大学 イノベーションシーズ育成プログ
ラム」として山口大学で行った大型研究プロジェクト構築事例について述べた。
産学公連携、知財、URA、事務等の総合的な支援である。今後の課題として、技
術移転に向けた企業との連携強化、知財の強化、研究業績の蓄積が挙がった。佐
藤(秋田大学)らは、教員に対する意識調査を踏まえて、地域中規模大学の研究
支援体制の確立を検討した。意識調査は全教員の半数強から回答を得て、研究支
援体制の高度化を求めており、研究資金公募に対する支援業務の要望が最も多か
った。また、URAの認知度は2割以下と低いものの、URAへの期待は5割で高かっ
た。いずれも地域の中規模大学における研究支援体制を構築する事例に関する若
手の実務者からの報告であった。それぞれの大学での研究支援体制の発展が期待
されるとともに、他地域での今後の取り組みに参考となる有意義なものであった。
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                                  以上