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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第382号 <2013.7.29>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
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大会終了後の恒例の「座長報告」が始まりました。各講演の要点、セッションの
まとめをこれより順次、会員の皆様にお届けいたします。

産学連携学会第11回大会
一般講演&オーガナイズドセッション 座長報告(3)

−大学特許の管理− 北見工業大学      鞘師 守
−大学知財の活用−(独)科学技術振興機構 菊地 博道
−大学知財の分析− 筑波大学        上原 健一

※大会のプログラムは次のURLよりご覧いただけます。
http://j-sip.org/annual_meeting/11th_2013/program3.pdf

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−大学特許の管理− 北見工業大学  鞘師 守
6月21日(金)第2日目A会場(13:30〜14:15)

本セッションでは3件の発表があった。上原ら(筑波大学)は、大学において限
りある経費の範囲でより有効な特許活動を推進するための手法として、早い時期
での技術開示、論文を利用する出願、単独出願・外国出願の重視など、これまで
の考え方にとらわれない新たな取り組みを提案し、それらの可能性と課題・留意
点などについて議論した。菊地(科学技術振興機構)は、過去5年間の特許出願
件数及び特許権実施等収入の上位校についてデータを解析し、大学における特許
出願、特許収入、それらの関係について傾向を考察した。稲岡(京都工芸繊維大
学)は学生の共同研究参画機会が増しつつある現状を背景とし、発明に関わる学
生の権利を大学が予約承継する場合の問題点について特許法、民法、消費者契約
法の各観点から考察した。それぞれ、大学において知的財産活動を進めるにあた
り避けて通ることのできない重要な課題に真正面から取り組む研究であり、それ
らの研究発表を受け会場では関連する重要な視点・検討課題などについて活発に
意見が交わされた。今後のさらなる関連議論の深まりを期待したい。
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−大学知財の活用− (独)科学技術振興機構 菊地 博道
6月21日(金)第2日目A会場(14:30〜15:15)

本セッションでは、3件の発表があった。まず、鳥取大学から「知財活用に向け
た学内連携と波及効果」と題し、N−アセチルグルコサミンを用いた技術の活用
と用途拡大による共同研究等の広がり(波及効果)についての紹介があった。次
に、三重大学・信州大学から「環境対応型新技術に基づく素材メーカー群との連
携」と題し、新規硬化剤をNDAを結んで複数の企業に技術移転したスキームにつ
いての紹介があった。材料系は特許も含め、用途が複数あるため、本発表のよう
に戦略的な展開が重要である。最後に、徳島大学から「レアメタル(バナジウム、
モリブデン、タングステン)の回収技術を取り巻く同行について(2)」と題し、
レアメタルの回収に取り組む行政・団体・企業等を対象に、文献・Web情報・シ
ンポジウムへの参加・個別訪問を行った調査結果についての紹介があった。本発
表で対象とした希少金属以外にも貴金属等も含めた回収技術は今後ますます重要
となることであろう。いずれの発表も、大学での知財活用を以下に推進していく
かの工夫等に力点を置いていることがよく分かるものであった。
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−大学知財の分析− 筑波大学 上原 健一
6月21日(金)第2日目A会場(15:15〜16:00)

本セッションでは、大学の特許に関連した分析に関する3件の発表があった。ま
ず、文部科学省科学技術政策研究所の細野らは、産学による2004〜2007年度に出
願された共同発明特許を特定し、これらの特許が出願された前後期間に企業側が
関連して出願について特定し、両者の関係の推定を行った。この分析により企業
側が産学共同研究の活用状況と企業側での位置付け等に幾つかのパターンが見ら
れることを報告した。JSTの西田らは、JSTが運用するJ-STOREの実績について報
告があった。顧客満足度アンケートから利用者の属性として75%が研究、設計
開発、企画・調査・コンサルティング関係者であることなどを示した。また、ア
ンケートの結果から今後のJ−STOREの改善には表示の見やすさ、利用目的に応じ
た情報提供などに関して検討が求められていることを示した。次にJSTの浅野ら
は、JSTの知財活用促進ハイウェイでの支援を受けた案件について支援のライセ
ンス成功例についてJSTの新技術説明会の効果と比較しながら分析を試みた。ラ
イセンス成功課題ではハイウェイの申請前に既に企業との関係があると良いこと
が示された。今回の報告からもわかるように、全国の大学が活発に特許取得を行
うようになってから年月が経過し、その特性等を統計的に検討できるようになっ
てきている。今後は、いっそう様々な角度から産学連携活動における知財権の取
得・活用の結果を統計的手法で分析し、これからの活動にフィードバックしてい
くことが求められよう。
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                                  以上