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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第305号 <2012.7.23>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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産学連携学会第10回大会  一般講演&オーガナイズドセッション 座長報告(4)

−学金連携− 岡山大学 藤原貴典
−産学連携システム1− 北見工業大学 内島典子
−産学連携システム2− 筑波大学 上原健一

※大会のプログラムは、次のURLよりご覧いただけます。
http://j-sip.org/annual_meeting/10th_2012/program3.pdf
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−学金連携− 岡山大学 藤原貴典
6月14日(木) 第1日目 C会場 (15:15〜16:30)

本セッションでは5件の発表があった。まず、還田(山梨大)は山梨大学客
員社会連携コーディネータ制度について、H23年度は147名で20件の相談を
持ち込み、山梨中央銀行が主力であり、インセンティブ付与のため、委嘱式
に合わせて副賞付き表彰を行っていることを紹介した。つぎに、小野(山形
大)は、産学金連携の意義に関する認識を、金融機関の組織全体へ浸透させ
る方法について説明した。社会貢献(CSR)活動と捉えるか、銀行の本来業
務と捉えるかで活動の度合いが異なってくると述べた。櫻井(山形大)らは、
企業に於ける無形の知的資産に関する評価は、企業評価の空白地帯であり、
将来の企業分析を行う上で必要になってくると述べた。歌丸(山形大)らは、
山形県内企業の85%以上が東アジアに進出しており、自動車部品メーカA社を
例に取り、留学生の採用活動に対して金融機関の持つ企業情報でマッチング
を行うことが可能であることを述べた。最後に加藤(山形大)らは、山形大
が行う産学金連携コーディネーター研修の有効性を検証するためにアンケー
ト調査を実施した。総じて高い評価を得ているが、「金融機関の企業目利き
と同一であるか」の設問には低い評価であり、企業育成のための目利きにな
っていない状況が伺える。学金連携が、金融機関本体とベクトルを合わせて
実効的に深化しつつある様子が垣間見えた。他大学および他金融機関への連
携の広がりが望まれる。
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−産学連携システム1− 北見工業大学 内島典子
6月15日(金) 第2日目 C会場 (14:30〜16:00)

産学連携システム1のセッションでは、産学官連携を通じた社会貢献水準向
上にむけた体制づくりや実際の取り組みについて、様々な視点から合わせて
6件の報告があった。山本(日刊工業新聞社)らは、化学系の大学発ベンチ
ャー企業が持つ、複数の産業分野との幅広い結びつきが可能であるなどの特
徴を解析・整理した。桑江((株)東芝)らは、日本のナノテクノロジー産
業の発展・強化、世界的なナノテク研究拠点を目指し筑波に構築されたつく
ばイノベーションアリーナについて、産学官の連携体制および取り組むプロ
ジェクトについて報告した。丹生(島根大学)は、大学が有するインキュベ
ーション機能に着目し、入居している企業が求める大学のサービス機能、お
よび有効なインキュベーション機能について解析した結果を報告した。湯本
(九州大学)は、九州大学開物成務塾の取り組みを例に、モノづくりにおい
て必要な要素について述べ、産学官連携をツールとした商品開発の取り組み
の有効性を報告した。松本(大阪ガス(株))らは企業の真のニーズ解決を
目的に、社内にオープンイノベーション室を設置し、全国の産学官連携担当
者とのネットワークを構築するエージェントを配備し、その体制が企業のニ
ーズ解決に有効であることについて述べ、現在進めている、このネットワー
クの拡大・強化に向けた取り組みについて報告した。会場では、産学官連携
が技術力向上や新事業展開などに有効なツールであることを示唆する興味深
い報告がなされ、社会貢献を担うツールとしての産学官連携の価値について
活発な議論が行われた。全国各地での産学官連携活動の推進による社会貢献
の拡大が期待された。
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−産学連携システム2− 筑波大学 上原健一
6月15日(金) 第2日目 C会場 (16:00〜17:00)

本セッションでは、大阪大学の「共同研究講座」の取り組みに関する4件の
発表があった。まず、後藤(大阪大学)らは、「共同研究講座」について、
取り組みの背景と制度の概要を踏まえ、実績と意義を解説した。これまでの
共同研究制度の件数や金額が頭打ち傾向の中、共同研究講座の数と金額が顕
著に伸びており、講座の継続率も高いことは興味深く、他大学においても参
考になる。続く3件の発表は、この共同研究講座の事例発表であった。塚原
(大阪大学)らは、共同研究講座をハイテク型ベンチャー育成に活用した事
例の報告であった。マイクロ波化学という新技術事業化に本講座を利用し、
多くの機関や企業等を巻き込んでいる点が興味深かった。中澤(大阪大学/
日立造船)らの事例発表では、海外での研究開発も踏まえ、事業化段階にお
ける国際的展開を睨んだ活動が報告された。平川(西日本高速道路)らの事
例発表は、従来の学問では分野間の壁があり総合的なアプローチに限界があ
った諸問題を、本講座制度を用いて学際的な取り組みを行い、新しい“高速
道路学”確立を目指す試みについての報告であった。発表後、これら4件に
対する総合的な質疑応答が行われ、本講座制度は、企業の独自研究活動を可
能とする場を提供し、企業の学内既存資源(教員、設備他)活用が容易にな
ること、学内に対しては研究費獲得と研究活動活性化をもたらすなどの相互
効果があることが理解できた。
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                                以上