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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第301号 <2012.7.13>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(j-sangaku@j-sip.org)までお寄せください。
バックナンバー:http://j-sip.org/mail_news.htm


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大会終了後の恒例の「座長報告」が始まりました。各講演の要点、セッショ
ンのまとめをこれより順次、会員の皆様にお届けいたします。

産学連携学会第10回大会
一般講演&オーガナイズドセッション 座長報告(1)

−地域連携1− 岩手大学 小川薫
−地域連携2− 島根大学 北村寿宏
−地域連携3− 香川大学 永冨太一

※大会のプログラムは、次のURLよりご覧いただけます。
http://j-sip.org/annual_meeting/10th_2012/program3.pdf

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−地域連携1− 岩手大学 小川薫
6月14日(木) 第1日目 A会場 (14:00〜15:30)

本セッションでは、産学官連携に関する6件の発表があった。先ず、高知工
科大学の佐藤らは、JSTイノベーションサテライト高知が関わってきた地
域イノベーション創出に向けたコーディネート活動の展開について報告があ
り、「土佐市モデル」をもとに、「密なる人的ネットワーク」の必要性、異
質な「人と人との繋がり」を生み出すコーディネータの重要性について述べ
た。鳥取大学の田中は、2005年11月に設立されたとっとりネットワークシス
テム(TNS)について、設立経緯から最近の活動までを報告した。(株)
ウェザーコックの山本からは、企業のネットワークと大学のネットワークを
共有化する重要性について報告があり、信頼関係を伴ったネットワークの共
有化で生み出される、新しい価値の創造について述べた。学会の関西・中四
国支部の代表を務める島根大学の北村は、エリア内の支部活動を積極的に進
める実施方法や工夫点の紹介、またその効果の分析等を行い、地理的に近い
会員や産学連携者との相互交流および他地域の支部との連携の必要性につい
て説いた。福岡県中小企業化同友会の会員であり、九州大学大学院・開物成
務塾のメンバーである綾戸は、地域から、若いリーダーを育てて、元気な日
本を創造することを目的に、同友会仲間と、「福岡リーダーズ倶楽部」を
2011年9月に発足した。行動・実践を学ぶ場としていくつかのプロジェクト
を立ち上げ活動を行っている。また高谷からは、開物成務塾発足の経緯と目
的、湯本教授の指導による新商品開発のワークショップで70もの新商品が
発表され、現在その拡販に取り組んでいるとの報告があった。いずれもそれ
ぞれの立場からの産学官連携を積極的に推進する事例であり、他地域での今
後の取り組みに参考となる有意義なものであった。
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−地域連携2− 島根大学 北村寿宏
6月14日(木) 第1日目 A会場 (15:30〜16:15)

本セッションでは、地域連携に関し、ネットワーク形成や具体的な産学連携
の取り組みに関する3件の研究成果が発表された。まず、小川(薫)らは、
岩手県の県南地域で進められている広域ネットワーク「南いわて食産業クラ
スター形成ネットワーク」について、その構築や実際の活動について紹介し、
食品クラスターの形成における要因になどについて報告した。小川(竜二郎)
らは、秋田大学で取り組んでいる研究者と地元のモノ作り企業との連携促進
事例について報告した。この事例では、大学などの研究者が研究で必要とす
る試作品を地元企業が受注する仕組みを構築し、これにより地元企業との連
携のきっかけができ共同研究などに進展していることが報告された。渡辺ら
は、高知県が有する有用植物を地域資源としてとらえ、これを産業で活用し
地域ブランドとして推進していくための基盤作りについて報告した。まだ始
まったばかりであるが、有用植物の調査・囲い込み、事業化支援、人材育成
がセットで進められており、今後の展開が期待できる。地域を広く巻き込ん
だ産学連携のネットワークの構築や仕組み作り、特色ある取り組みが報告さ
れ、活発な議論が行われ、地域での産学連携の重要性の一端を知ることがで
きたセッションであった。今後も地域連携がさらに進んでいくことが期待さ
れる。
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−地域連携3− 香川大学 永冨太一
6月15日(金) 第2日目 B会場 (9:30〜11:15)

本セッションは3地域から7件の発表を頂いた。石塚(高知大学)らは、「大
学と自治体との連携事業」について、県内11の自治体と協定を締結し、特産
品の活用、特色ある製品化、人材育成、教材作成等を通じて「敬地愛人」の
理念の下に幅広く知の還元が成されている事例を紹介した。吉用(高知大学
他)らは上記連携の一例として、高知市との連携による「高知市総合調査の
多面的活用」を発表した。委託調査で明らかにした高知市の自然や社会に関
する現状と課題を市民が広く享受する方策として、公開講座や教材等を作成
し、情報の価値を高め、活用した事例について報告した。同じく吉用(高知
大学他)らは、黒潮町との連携で全国有数のカツオの水揚げを誇る地域で構
成される日本カツオ学会の設立を主導し、地域特性を活かした世界に通ずる
高い目標を掲げた取組みについても報告した。嶋野(長崎大学)は、県民所
得が全国最低ランクで推移している現状から、ベンチャー支援体制を整え、
特に対外需要の獲得を目指した取組みについて提案がなされた。樋口(三重
県)、後藤(大阪大学)、竹川(株式会社フラン)らは、「三重における地
域資源を活用した医薬品開発」で、天然資源や特殊加工技術に着目し、産学
官民の強固な連携で開発工程を確立した。特に複数の企業が社外秘であろう
ノウハウを提供し、試作開発に重点を置いた事業化への枠組を構築した取組
みは非常に興味深く、聴衆の関心も高かった。
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                                以上