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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■    J-SIP Mail
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第0082号 <2007.9.3>
 
当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
会員の皆様への情報の配信をご希望の方は,news@j-sip.org
あるいは産学連携学会事務局(h19-office@j-sip.org)までお寄せください。


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1. 産学連携学会第5回大会 座長報告(6)
−知財戦略−
山形大学 足立和成


2.産学連携学会第5回大会 座長報告(7)
−産学連携論2−
千葉工業大学 山口佳和

あとがき

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1.産学連携学会第5回大会 座長報告(6) 
「知財戦略」
               山形大学 足立和成

 文部科学省科学技術政策研究所の金間大介氏らの「大学発パテントマップの
作成と産学連携に関する分析」、山形県文化環境部学術振興課の保科孝宏氏ら
の「山形県における知的財産政策の現状と課題」、北海道大学知的財産本部の
堀田大介氏らの「大学特許を受ける権利等持分譲渡に係る一考察」の、3件の
発表があった。

最初の発表は、特定の大学(東北大学)における特定技術分野の発明に調査
対象を絞って特許取得状況を調べた結果であり、それなりに興味深いものはあ
ったが、大学の知的財産戦略の現場ではあまり役に立ちそうな内容ではなかっ
た。ただ、大所高所から施策の良否を論じる時などには重宝な道具であるとは
感じた。
次の発表は東北地方の一地方自治体の知的財産政策の実態をあからさま形に
吐露したものである。大都市を抱えていない地方自治体に共通の悩みがそこに
は見える。しかしそうした状況下でも、将来の人材育成を見据えて児童・生徒
への科学教育の機会を作る「サイエンスショー」などの施策を懸命に行ってい
ることなどには好感が持てる。迂遠に思えるかもしれないが、施策全体に通底
するその戦略的ポリシーを生み出すことに、もっと力を注いで欲しいと感じ
た。
最後の発表は地味な印象があったが、「特許を受ける権利」に着目した面白
い研究だった。ただ、交渉段階での守秘契約のあり方や、クロスライセンス攻
撃などへの防御体制構築など、その背後にある問題はあまりにも多く、また大
きい。

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2.産学連携学会第5回大会 座長報告(7)
「産学連携論2」
                      千葉工業大学 山口佳和

今回は産学連携論2の座長を務めさせていただきました。大会2日目の6月29
日の午前中のセッションでした。前の晩の懇親会の疲れが残っているにもかか
わらず(?)、興味深い発表と熱心な討議が行われました。
産学連携論は「産学連携学総論」とでも言うべきカテゴリーです。とても広
い範囲の多様な内容が含まれます。このセッションの4件の発表も、それぞれ
が全く異なるユニークな内容でした。

まず、九州大学の湯本先生から、「産学連携・知的財産に関する高等教育の
実践と連携ブレイクスルー」と題して、産学連携・知的財産に関する大学院教
育を全学を対象に行おうという九州大学の新しい試みを説明していただきまし
た。
日本能率協会コンサルティングの池田先生から、「新技術・新事業創出のた
めの未来クロスポイント探索法」と題して、未来社会ニーズと未来予測技術を
クロスさせて新技術・新事業創出のための研究開発テーマの探索・設定を行お
うという新しい産学連携手法とその実践事例の説明をしていただきました。
新潟大学の川崎先生から、「大学における産学連携推進組織の変遷分析」と
題して、共同研究センターの設置を開始してから現在に至る約20年の全国の国
立大学の産学連携推進組織の変遷に関する分析結果について説明していただき
ました。
最後に、北海道大学の荒磯先生から、「国際的新産業創出に要する産学官連
携の要素」と題して、国際産学連携を推進するための必要な機能として、国際
リエゾンオフィスを含み各国の産学連携expertのネットワークを形成する国際
産学連携機関を設置する構想について説明していただきました。

いずれも産学連携の豊富なご経験と深いご研究に基づく発表でした。会場と
の討議も活発に行われ、有意義なセッションとすることができました。産学連
携論を構築するための大きな一歩となることを期待しています。

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あとがき

 猛暑は和らいできましたが、まだ残暑の厳しい日々が続いています。会員の
皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか?今夏は久々に花火を見に行
きました。美しい大輪の花が次々と描き出され、カラフルな色に染め上げられ
ていきます。ほとんど夏の夜だけのものだからか、季節感を味わう喜びを改め
て実感しました。
 事業委員会の「大会担当、支部・研究会」グループでは、第6回大分大会お
よび第7回の大会開催支援と、地域の産学官連携活動を支援できる支部ならび
に小グループの研究会を組織していくことを目標に掲げております。ご意見や
ご要望等がございましたら、是非お寄せいただきたく、お願い申し上げます。

事業委員会 大会担当、支部・研究会グループリーダー 川崎一正(新潟大学)