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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第0080号 <2007.8.17>

当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
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あるいは産学連携学会事務局(h19-office@j-sip.org)までお寄せください。


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1.第5回大会副実行委員長報告
                      山形大学 小野浩幸

2.産学連携学会第5回大会 座長報告(3)
  −パネル討論会−
                      東北大学 長平彰夫

あとがき

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1.第5回大会副実行委員長報告
 第5回大会を無事開催できましたことに感謝を、第6回大会にエールを!
                         山形大学 小野浩幸

 6月28日、29日の2日間にわたって開催された産学連携学会第5回大会を何と
か無事終えることができましたことに、学会理事の方々をはじめ、多くの共催
・後援・協賛団体の皆様、そして遠く米沢まで足を運び熱い議論を重ねていた
だいた数多くの参加者の皆様にまずは深く感謝申し上げます。

 大会の登録参加者数は、事前登録174名、当日登録28名の計202名で、講演・
シンポジウム等の招待者、展示ブース参加関係者などを合わせますと約250名
という数になりました。学会員以外の一般参加の方々の参加も多く、産学連携
学会が仲間内の研鑽の場から「産学連携の志を共有する公の器」に成長・発展
しつつあるのではないかと感じます。一般講演では、席が足りなくて立ち見参
加や部屋に入りきれない人がでるセッションも多く見受けられるなど、内容的
にも熱のこもったものとなったように思います。
 A会場である大ホールでは、特別講演、シンポジウム、パネル討論会、特別
セッションといった企画が行われましたが、いずれも「地域イノベーション」
がテーマにとりあげられ、様々な角度から議論が行われました。「地域」で開
催された今大会において、このことは非常に意義深いことだったと感じます。
また、B,C,Dの3会場で行われましたセッションでも、従来から議論されてき
た重要なテーマに加え、「海外展開」、「国際連携」やリレーションシップバ
ンキングに伴う「学金連携」などタイムリーなテーマのセッションも多くなり
充実した内容であったと思います。

 一方、振り返ってみますと反省すべき点も多くありました。学会理事の方々
からは、かなり早くから大会準備に関する種々のご助言をいただいておりまし
たが、産官学を広く巻き込んだこのような学会の開催は、開催地として初めて
で不慣れなことから開催準備に際しまして多くのご迷惑をおかけしてしまいま
した。実行委員会として理事会と密接な連携を図りながら、もっと早くから共
催、後援などの諸団体との調整と、それに伴う予算等の大会フレームの作成に
ついては、体制を組んで動くことによりもっと円滑に進めることができたので
はないかと思います。
 個人的には大会3ヶ月前に手術入院するなどアクシデントに見舞われ、多く
の方々に大変なご迷惑をおかけしました。このような中、かくも盛況に大会を
終了させていただけたのは、ひとえに学会理事の方々のお力添えと実行委員会
のメンバーの身を粉にする奮闘の賜物だったと思います。私たち大学内でリエ
ゾンを担当する者は、学内の事務職員スタッフに支えられて仕事をさせてもら
っています。そのことを改めて実感させられたという点で、及ばずながら副実
行委員長の重責を務めさせていただいた私にとって今大会の運営は実り多いも
のだったと感じています。

 次回は、産学連携学会の重鎮でありベテランの伊藤正実先生の居られる大分
大学です。今大会をはるかに超えた素晴らしい大会となることを確信いたしつ
つ、開催の成功を御祈念申し上げます。
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2. 産学連携学会第5回大会座長報告 (3)
   −パネル討論会−
                        東北大学 長平彰夫

 本セッションでは、地域間格差という最近の動きも含めた観点から、「地域
イノベーションと産学連携−地域経済振興への大学の挑戦」と題して、地域に
おける既存産業の活性化、新産業創出等の産学連携の先進的な取り組み事例
を、学会の書籍として刊行された「産学連携学入門」の著作者である6名の先
生方によって紹介してもらい、今後の地域発展に向けて産学連携の果たすべき
役割についてより現実的、建設的に論じることを目的とした。

 佐賀大学の佐藤准教授からは、企業見学・課題解決に学生を活用すること
で、今まで接触の無かったサービス・流通・小売などの「サービス産業」と産
学連携を構築し、学生のインターンシップ、企業の新商品開発、大学の共同研
究発掘など三者ともにメリットのある事例が発表された。大分大学の伊藤教授
からは、大学の研究成果ありきで産学連携が始まる事例はなく、企業の課題に
どう大学の資源を活用するかが産学連携事例の成功につながるとの指摘が事例
を交えてなされた。三重大学の菅原教授からは、三重大学が鳥羽市東都の間で
実施した産学連携事例から地域の分析から資源や課題を見いだしプロジェクト
化する、大学の分野横断的な機能の結合、さまざまな構成員の活躍の機会をつ
くる、地域産業との結合、地域の中に持続できる主体を育てる、などがポイン
トであるとの報告がなされた。信州大学の松岡准教授からは、大学は中小企業
の産学連携にあたっては「開発」段階に積極的に関与することが重要であるこ
と、信州には、全国的にも有数の産業集積地があるが、一方で大学の数は少な
い。しかしこのことは、逆に、地域の大学の選択肢が広がることとなり、この
地域では信州大学以外の大学を含めた広域大学プラットフォームや、ヴァーチ
ャル工業団地などの事例が紹介された。岩手大学工学部の清水副部長からは、
全国的に著名な岩手ネットワークシステム(INS)について、そのはじまりは、
「学」と「官」を中心とする数人の若い人達の飲み会であり「自由な雰囲気」
を重視し平成4年正式に会として発足したこと、その基本は全国でもユニ?ク
な「産官学民」の活動であり今年の9月に全国の類似の活動をしている諸団体
が一堂に会して全国大会が岩手で開催されることとなっていることなどが報告
された。最後に、山形大学の足立教授から、山形大学共同研究組織YURNS
(Yamagata University Research Network System)についての紹介があっ
た。現在のYURNSは、会則はおろかメンバーの資格すら曖昧な親睦会的集まり
でしかなく、「組織」などと呼称できる存在ではないが、メンバーらが中小企
業からの技術相談などにきめ細かく応えるといった産学官連携活動を活発に展
開している。こうした気取らない活動のために、地元の中小企業などからは親
しみを持たれ、その活動が知れ渡るにつれて、YURNSはいつのまにか山形大学
の正式な組織のように地元から扱われるようになった、との報告があった。

 続いて、会場との間の意見交換を実施し、さまざまな質問や意見が出たが、
産学連携プロジェクトが成果を挙げるためには、企業側のニーズを踏まえての
産学連携が重要であること、岩手INSおよび山形YURNSの成功のポイントは、大
学の教員および地域のメンバーがとにかく「楽しんで」さまざまな活動を行っ
ていること、という点については皆の共感が得られたのではないかと思ってい
る。
                                以上
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あとがき

 本メールニュースは、産学連携学会会員の皆様への情報発信を担う主力媒体
です。そこで、学会第3期活動のスタートにあたり、情報発信業務を担当する
事業委員会では、「メールニュース」でさらにタイムリーな記事配信に努めよ
うと考えています。
 当面は、去る6月に開催された産学連携学会第5回大会(山形大会)の関連
記事を主体として、産学連携推進に関連する記事も追加して配信いたします。
ぜひとも日常の業務にもお役立て下さい。
 なお、「あとがき」は、事業委員会担当者が輪番で担当いたします。ご意見
やご要望等ございましたら、ぜひお寄せ下さい。お待ちしております。
        事業委員会 広報グループリーダー 藤原貴典(岡山大学)