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■■■■■■■■■■■■ 産学連携学会メールニュース
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■■■■■■■■■■■■ 発行:産学連携学会(編集WG)
 第0050号 <2006.1.7>
 
当メールニュースではイベントのお知らせや公募情報等,
産学連携に関する情報をお流しいたします。
会員の皆様への情報の配信をご希望の方は,news@j-sip.org
あるいは産学連携学会事務局(office@j-sip.org)までお寄せください。

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1. 2006年年頭挨拶 産学連携学会会長 荒磯恒久(北海道大学)
2. 2005年を総括  産学連携学会前会長 湯本長伯(九州大学)
3. あずさ監査法人産学官連携セミナー in 東京のご案内
   編集後記

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1.2006年 年頭挨拶 産学連携学会会長 荒磯恒久(北海道大学)

 明けましておめでとうございます。
 産学連携学会が任意団体として誕生したのは2003年の4月でした。 3年前の今頃
は東京、福岡、三重、札幌と新学会設立のキャンペーンが繰り広げられていました。
以来、3回の大会開催、学会誌の刊行、学術シンポジウムの開催、NPO法人化と、学会
としての基盤を固めて来ました。
 産学連携活動を意識的に推進してきたのは、個々の名称は様々ですが、大学の共同
研究センターや知財本部、地域における科学技術振興財団、TLO、JST、産総研、各機
関のコーディネーター組織、企業における産学連携セクションなど多様なものがあり
ます。これらの組織が文部科学省、経済産業省、内閣府などの打ち出す政策と連携し
ながらこの10年間、我が国の産学連携を発展させてきました。しかし、各々の機関が
考える「産学連携」の意味にはかなり大きな差異があると言わざるを得ません。産学
連携の「揺籃期」にはあまり意識されなかったこの差異は、現在の「発展期」におい
ては相互に十分理解される必要があります。組織を超えた大きな連携こそが産学連携
の真の姿であるからです。
「学会」という組織の特徴的な機能は「相手の立場を尊重しながら、自身の考えを論
理的・体系的に述べる」ことにあります。3年間の学会活動の中で、各組織の立場の
違いが浮き彫りになり、多くの会員が真剣に議論をする機運が生まれつつあります。
学会が取り扱う範囲が広範であるため、学会誌への投稿論文の審査基準を見出す
のが難しいという生みの苦しみにも直面しています。しかし、これも視点を変えれば
学会の成長の証と考えることが出来ます。様々な機関の「連携活動」を連携する学
会の活動を、本年はさらに推し進めたいと考えています。
本年の学会大会は6月15・16日に群馬県において開催されますが、その実行委員
長は文科省産学官連携コーディネーターの大石氏です。大学教員を母体として生ま
れた本学会の大きな目標である「連携の連携」を実現する第一歩と捕らえられます。
多くの方々のご参加をお願いして新年の挨拶といたします。

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2. 2005年を総括  新生・産学連携学会の年頭に寄せて
   産学連携学会前会長     将来設計委員会委員長 湯本 長伯

 2006年の年頭に、本学会の新しい発展に向けて、一言ご挨拶致します。
 荒磯新会長のご挨拶にもありますように、いよいよ「産学連携」だけでなく学会
も新しい段階に入って来ております。まさに「連携の連携」のデザインが、求めら
れましょう。
 佐藤編集長より紙面を与えられたので、この機会に昨年6月に急遽会長を交
代した?という多くの疑問を戴いたことも含めて、今後の学会の将来設計につ
いて、お伝えしたいと思います。と言いましても、第二号論文集に「学会の将来
設計」について執筆しましたので、詳しくは論文集をお読み戴き、ここでは主に
それ以外のことに触れます。
というわけで少し長くなりますが、さて項目は、
1) 会長交代は任期によるもので、与えられた期間を精一杯努力し次の会長に繋い
で行くという、原則の遵守に対する学会運営の意思表明でもあります。本学会では、
執行部の長期政権は有り得ず、駅伝のように皆で襷を繋いで行くという原理原則
が守られると思います。
2) 第一段階で構想された目標はほぼ達成され、会長挨拶にもあるように学会も発
展段階にあります。既に、大会開催、論文集発行、各種ニューズレター発行、学術
シンポジウム開催、様々な「産学連携」組織との連携、多種多様な人々の参集と交
流など、学会としての基本的な活動は達成されています。NPO法人化も何とか間
に合いました。
3) 今後の課題を3つに絞って述べると、
@当初60%だった産業界の会員が40%に
減少し、産業界との連携が弱いと考えられること、
A学会運営・活動に更に若い力の
台頭・参加が求められること、あるいはその仕組みの確立、
B設立目的・三本柱の
一つ「人材育成」の具体的方策が未だ動いていないこと、でしょう。
@については
「産業連携委員会」(山田泰完委員長)を新設し、具体的な取組みを始めています。
Aについては若い人が次々出て来て、設立メンバーと交代するのではなく重なって
行けばベターです。本学会の現状では、いま活躍して戴いている方々に引退して
戴く余裕は無く、どんどん数を増やして行くことが必要でしょう。
Bについては、い
よいよテキスト「産学連携入門」の執筆が始まりました。これは具体的な人材育成
研修の核ともなるもので、長平委員長に期待が集まっています。
 以上のように、原理原則と新しい発展を期して、荒磯新会長が登場された訳です。
湯本が特に身体を悪くしたというようなことはありませんので、ご安心下さい。
 
さて学会の将来設計に関わり、改めて幾つかのトピックスをお伝え致します。
「第二回学術シンポジウム」のテーマは、「地域振興・地域産学官連携推進」と「地
方大学への支援強化」でした。半世紀以上続く「首都圏・東京一極集中」は、大学
においても同じです。様々な資源が東京に集中、地方大学は守りの戦いを強いら
れています。
まだまだ頑張れるなどと暢気なことを言っていると、もはや戦にならない訳で、更
に大きな支援が必要です。極端な話ですが、九州大学には2500人の教員が居り、
1人百万円の助成をしても25億円でしかない訳で、土木構造物などと比べると遥
かに安くつくものです。
それぞれの地域で、核になる大学に投資することで、そこから何を得られるか、
もっとシビアに考えてみたら如何でしょうか?
 産業界の中で産学連携パートナーを見つけることに、大学は意外と難しさを
感じています。県・市などを伴う商工会議所−地域中核大学(群)という連携は
一般的ですが、より攻撃的な中小企業家同友会との連携、より先端的且つ大型
プロジェクトを目指す日本経団連との連携も、先の学術シンポジウムを契機によ
り深まりました。特に後者では、経団連・技術グループ(山野井委員長)には、お
世話になりました。前者では、会長お膝元のHoPEが注目されています。意欲と
工夫に満ちた企業家の取組みに期待します。
 地域産学官連携の推進と言っても、地域には意外に豊かなストックがあり、地域社
会と産業が守りから抜け出せない(第18回国立大学法人共同研究センター等・専任
教員会議報告
http://www.kyushu-id.ac.jp/%7Eymtlab/senninkaigi/sennin18_14revised.pdf
というような問題もあります。しかしながら、いつまでも続かない話ではあります。
ストックもあり地域産業もある徳島は佐竹副会長のお膝元ですが、日本で最も若い
知事さんのもと、地域そして徳島大学の総力を傾注し、今や産学官連携の聖地の
一つともなりました。
意識次第で、眠れる虎も獅子も目覚めて咆哮します。
 多くの地域が新しい繁栄を創り出し、地方に居ると良い生活ができる、良い環境で
ノビノビと仕事ができる、広い家に住んで通勤地獄も無く情報も十分ある、他所には
無い此処だけのものがある、首都圏より自分も家族も幸福だ。そういう人が全てで
なくても過半を超える、そのような日本になることが、21世紀に脱工業化社会の中
で生きて行くために適したことです。中国と同じモデルでは、生き残れません。
 すなわち、分散・多極、個性・多様、少量・多種、国際化・地域特性、非物量・情
報価値優先、といったキーワードでしょうか?そのためにも学会設立の初心に還り、
「産学連携」という大きな傘の下で、様々な連携をデザインして行くことが必要で
しょう。
「地域連携」「学々連携」「国際連携」等々、様々に展開されていますが、さらによ
り自由で実りの大きい「連携」を、構想し設計して行くことが重要です。
 年頭に当たり、学会の将来設計に触れつつ、皆様の益々のご発展をお祈り申し上げ
ます。


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3. あずさ監査法人産学官連携セミナー in 東京
    
◇◆「科学技術の社会貢献について」◆◇
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  大学発ベンチャーを日々支援しておられる各種専門家をお招きし、産学官連携
 及び大学発ベンチャーの現状並びに問題点を、それぞれのお立場から具体的
 事例を踏まえてお話しいただき今後の産学官連携、大学発ベンチャーのある
 べき姿を模索いたします。
  なお今回のセミナーには2002年にノーベル物理学賞を受賞されました
 小柴昌俊東京大学特別栄誉教授に特別にご講演いただけることになりました。
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<主 催>  あずさ監査法人 産学官連携推進室
<日 時>  2006年2月3日(金)13:30-17:00(13:00受付開始)
<場 所>  秋葉原コンベンションホール(秋葉原クロスフィールド内)

13:40-14:00 「ベンチャー公開に係る現状と課題」
                     株式会社東京証券取引所 新規上場サポート部 
                      国内統括役 桜木 康雄 氏

14:00-15:30 パネルディスカッション「大学発ベンチャーを支える技術と人」
               【パネラー】
         ・ 『ベンチャー企業における技術』
                        独立行政法人 科学技術振興機構 産学連携事業本部
                         技術展開部部長 山口 和雄 氏
         ・ 『ベンチャー企業における人材』
           ベンチャーエントリー株式会社 
            代表取締役社長 辻口 寛一氏
         ・ 『ベンチャー企業における体制』
           株式会社 東京証券取引所 新規上場サポート部
           国内統括役 桜木 康雄氏
         ・ あずさ監査法人 公認会計士 伊藤 俊哉
        【司会】
         ・ あずさ監査法人 株式公開本部長 公認会計士 宮 直仁

16:00-16:50 特別講演「心に夢のタマゴを持とう」
         国立大学法人 東京大学 
          特別栄誉教授 小柴 昌俊 氏

<定 員>  200名
<受講料> 無料ご招待
<お問合せ先> あずさ監査法人 産学官連携推進室 
            担当:荒川(アラカワ)、杢田(モクタ)
             Tel: 03-3266-7537
             email: sangakukan@jp.kpmg.com
 プログラムの詳細及びお申し込みは、下記ホームページをご覧ください。
 http://www.azsa.or.jp/b_info/event/event060203.html


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編集後記
平成17年は災害や事故、偽造、プログラムミスなど揺れに揺れた一年でした。
平成18年は平穏であれと祈るばかりです。年頭の挨拶が長くなりましたが、
本年もよろしくお願いします。(佐藤)